消えた地域猫が1カ月後に現れ→ガリガリに痩せ、ふらふらの姿 先住猫に無断で家族として迎えたが…
保護前、じっと飼い主さんの様子をうかがうちあきさん(画像提供:青い人さん)
キジトラ猫の「ちあき」さんは、保護される3~4年前から飼い主のXユーザー・青い人さん(@makotonoossan)宅の駐車場に姿を見せるようになった地域猫でした。最初はごみ置き場の袋をあさる姿が見られ、「せめてご飯を」と駐車場の一角に食事を置いたのがきっかけで通うように。次第に敷地内で寝起きするようになり、少しずつ距離が縮まっていきました。
「最初は近寄ると逃げてしまいましたが、徐々に心を開いてくれて、撫でたりブラッシングできるまでになりました」
1カ月ぶりに姿を現したちあきさん(画像提供:青い人さん)
ところが2021年11月、ちあきさんは突然姿を消してしまいます。飼い主さんは「誰かに保護されたのだろうか」「事故に遭ったのでは」と心配しました。1か月後、再び現れたちあきさんの姿は、ガリガリに痩せ、ふらつきながら大きな声で鳴く痛ましいものでした。
「その時『これはただ事じゃない!』と思い、緊急で病院に連れて行きました。人に抱き上げられても逃げなかったのは、必死に助けを求めていたからだと思います」
検査の結果は脱水・栄養失調・高熱。外に戻すことはできないと判断し、2021年12月19日、正式に家族として迎え入れました。
先住猫との激しい衝突…3匹の関係に試行錯誤
玄関ドアの向こうにいるちあきさん、じっと見る先住猫の(左から)めるくん、りんごさん(画像提供:青い人さん)
当時、すでに先住猫の「める」くんと「りんご」さんが暮らしていました。新入りのちあきさんはトイレも食事も上手で順応性が高い子でしたが、先住猫たちとの関係は容易ではありませんでした。
「りんごは荒れ狂って噛みついたり威嚇したり…。私は自分の勝手でストレスを与えてしまったことに申し訳なくて、毎晩謝りながら涙を流しました」
ちあきさんも当初は遠慮がちでしたが、やがて反発してシャーッと怒るように。さらに1年後には、穏やかだっためるくんが突然ちあきさんに威嚇するようになり、険悪な空気が続きました。
「匂い交換や一緒におやつ、同時シャンプーなど考えつく限りのことを試しましたが、どれも失敗に終わりました。結局“時間”が不仲を解決してくれたんです」
少しずつ仲良くなった先住猫・りんごさん(手前)、ちあきさん(奥)(画像提供:青い人さん)
こうした試練を乗り越えながら、2年かけて3匹は少しずつ歩み寄れるようになりました。そして、それぞれの関係性も築かれていったといいます。
「めるはボス感を出すようになり、りんごは“スーパー女子”のようにちあきを守る存在になりました。ちあきはりんごが大好きで、プロレスをしたり毛づくろいをしたりしています」
ちあきさんにそっと触れる先住猫・めるくん(画像提供:青い人さん)
ようやくめるくんとも鼻チューや毛づくろいをするようになり、安心した表情を見せるようになりました。
今、ちあきさんへ伝えたいこと
推定7歳の誕生日を迎えたちあきさん(画像提供:青い人さん)
現在、推定7歳になったちあきさん。慎重で怖がりな性格から、人に思いきり甘えることはまだ得意ではありませんが、少しずつ飼い主さんに寄り添う時間が増えています。
「『今甘えても大丈夫?』と伺うように上目遣いでやってきて、隣で眠る姿がとても愛しいです。甘え下手で天然なおっとり女子という感じです」
傷だらけでガチガチになっていたちあきさんの肉球(画像提供:青い人さん)
かつて外で生きていた頃、固くなって傷のある肉球を見て涙したことも。だからこそ、飼い主さんの願いはただひとつです。
「もう二度と外で苦しむことはさせません。ぷにぷにの肉球のまま、楽しく元気に過ごしていこうね」
飼い主さんの足を枕にしてくつろぐちあきさん(画像提供:青い人さん)
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