発売前の「ROG Xbox Ally」を一足先にプレイして感じた「自由度の高さ」と懸念点

 Microsoftはかねてうわさされていた「Windows 11」搭載のXbox携帯ゲーム機を、Xbox Games Showcaseで発表した。発表されたのは「ROG Xbox Ally」と「ROG Xbox Ally X」の2モデルだ。筆者は発表後すぐ、短時間だがデモに参加する機会を得た。 【画像】すべて見る(全3枚)  デモの撮影や録画は許可されなかった。筆者が触ったのは最終的な製品版ではないからだ。実際、途中でHDMI接続の不具合が生じたりもした。デモでは没入感の高い「Xboxフルスクリーンエクスペリエンス」やさまざまな設定を試したほか、2025年夏にリリース予定の新作ゲーム「Gears of War: Reloaded」の冒頭部分も何分かプレイできた。  ASUS製のボディはしっくりと手になじみ、ざらざらとした感触のグリップも握りやすい。表面のボタンやトリガー、アナログスティックは、使い慣れたXboxコントローラーによく似ていると感じた。  ROG Xbox AllyとROG Xbox Ally Xの大きな特徴は、ゲームを本体にダウンロードしてプレイできるだけでなく、Xboxからのリモートプレイ、クラウド経由のストリーミングプレイにも対応していることだ。この点では、ストリーミングプレイとリモートプレイにしか対応していない「PlayStation Portal」よりも利便性は高い。Xboxのエコシステムと統合されているため、Xbox、PC、クラウド、ROG Xbox Allyなど、購入場所を問わずにゲームをプレイできる。このオープンなアプローチは任天堂のゲームしか動かない「Nintendo Switch」よりも、発想としては「Steam Deck」に近い。  発売は2025年冬のホリデーシーズンの予定だ。製品版では、フルスクリーンのXboxアプリを介して、Xboxのゲームライブラリと他の対応ゲームストアからインストールしたゲームをまとめて、1つのXbox体験として利用できるようになる。現在のところ、対応ゲームストアにはXbox、Game Pass、Microsoft傘下のBlizzardが提供するBattle.netに加えて、「Windows PCで利用できる主要なストア フロント」が挙げられているが、ここにSteamが含まれることを期待したい。Xboxと同様に、各ゲームにはどのプラットフォームのゲームかを示すアイコンが表示される。筆者が体験したデモでは、「ハースストーン」にBattle.netのアイコンが表示されていた。  ROG Xbox Allyは「ゲーム バー」を採用している。PCでXboxアプリを使ったことがあれば、見覚えのあるインターフェースだろう。本体のXboxボタンを押すと、PCでXboxゲームをプレイする時とほぼ同じガイドが表示される。画面左端には「コマンドセンター」タブがあり、電力消費やパフォーマンス関連の設定を変更可能だ。Steam Deckにも同じような機能がある。  ゲーム バーはホーム画面やライブラリにすばやくアクセスできるだけでなく、ゲームやアプリの起動、フレンドとのチャット、設定の調整なども簡単に行える。このバーはASUSの「Armoury Crate」とも統合されているが、この点はやや不安材料だ。というのも現在のArmoury Crateは、ASUS製品にプリインストールされている不要なプログラムというイメージが強いからだ。2025年末に実機を触れるようになる頃までには、機能が見直され、有用性が向上していることを期待したい。  ROG Xbox AllyとROG Xbox Ally XはWindows 11を搭載しているため、「Discord」や「Twitch」といったアプリはもちろん、ゲームのMODも利用できる。起動すると、Xboxフルスクリーンエクスペリエンスが画面いっぱいに立ち上がる。イメージとしては、Steam Deckを「Big Picture」モードで立ち上げた時の感覚に近い。このフルスクリーンのインターフェースは携帯ゲーム用に最適化されており、Windowsの「ゲームモード」と同様に、バックグラウンドで動作するサービスを最小限に抑え、システムのリソースを優先的にゲームに割り当てる。その結果、ゲームプレイに使えるメモリが増え、フレームレートの向上が期待できる。  ROG Xbox AllyとROG Xbox Ally Xは、しばらく前にリリースされたASUSの携帯ゲーム機「ROG Ally」と「ROG Ally X」をベースに作られているが、いくつか興味深い違いがある。まず、本体に専用のXboxボタンが追加された。また、グリップは大きく、立体的になった。ASUSのROG Allyは長方形に近かったが、ROG Xbox AllyはPlayStation Portalのデザインに近い。本体から少し飛び出したグリップは、一般的なゲームコントローラーの外観や感触を模している。使用されている部品もASUSのROG Allyシリーズより上等だ。  今回発表された2モデルは、白い方がROG Xbox Ally、黒い方がパフォーマンスを強化した上位モデルのROG Xbox Ally Xだ。下位モデルのROG Xbox Allyは、「AMD Ryzen Z2A」プロセッサー、16GBのRAM、512GBのSSD、60Whのバッテリーを搭載し、重量は670g、それに対して上位モデルのXbox Ally Xは、より高性能な「Ryzen AI Z2 Extreme」プロセッサー、24GBのRAM、1TBのSSD、80Whのバッテリーを備え、重量は715gとなっている。  どちらもASUSのROG Allyと同じく、7インチ、120Hz、1080pのディスプレイを搭載する。アナログスティック周りにRGBライトが付いているが、製品版では設定でオフにできるようになることを期待したい。持つと若干重さを感じるが、最近発売された「Nintendo Switch 2」や「Steam Deck OLED」もかなり重いため、最近の携帯ゲーム機としては妥当な重量といえる。  Microsoftはまだ価格を発表しておらず、発売日についても「2025年のホリデーシーズン」以外の情報はない。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japan
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