アップル、ゲームアプリを計画-「スイッチ2」発売の直後にデビュー

アップルは自社デバイス専用のゲームアプリを計画している。ゲーム市場におけるリーダーを目指す構想をゲーム愛好者や開発会社にアピールする戦略だ。事情を知る複数の関係者が明らかにした。

  このアプリは年内に「iPhone」や「iPad」、「Mac」、「AppleTV」にプリインストールされるという。各ゲームタイトルのランチャーとして機能するほか、ゲーム内の成果やランキング表示、通信などのアクティビティーを一元化する。

  ゲーム市場にはクラウドサービスやコンソールなど多様なツールがあるなか、アップルは自社デバイスでのゲーム体験向上を目指す。一方の任天堂は6月に「スイッチ2」を発売する準備を整えている。アップルはその数日後に開催する世界開発者会議(WWDC)で、このアプリを披露する。

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  同アプリには新タイトルに関する情報コンテンツのほか、アップストアのゲームセクションへのアクセス、月額6.99ドル(約1000円)の定額でゲームを提供するArcadeのプロモーションが含まれる。2010年にデビューしたものの勢いを得られなかった同社のソーシャルネットワーク「Game Center」に置き換わる。

  アップルは、アップストア以外からダウンロードされたゲームにも対応するMac版アプリの開発も進めている。

  広報担当者はコメントを控えた。米メディア「9to5Mac」は昨年、同社が将来のソフトウエア更新に向けて新たなゲームアプリの開発に取り組んでいると報じていた。

  アップルはゲーム分野への戦略の一環として、人気タイトル「Sneaky Sasquatch」を手掛けた2人組のゲーム制作会社RAC7ゲームズを買収した。この買収については、テクノロジー系メディアのデジタル・トレンズが既に報じた。

  市場シェアで見ると、iPhoneは今も世界的に広く利用されている主要ゲーム端末の一つだ。アップストアが08年に開設されて以来、ゲームはその中心的なカテゴリーとなっている。近年では「バイオハザード」や「デス・ストランディング」、「アサシン クリード」といったハイエンドゲームが登場している。

  現在、アップストア売上高の約3分の2がゲームとアプリ内課金によるもので、それにはゲーム内で購入されるトークンやレベルなどアップグレードのアイテムが含まれる。

  もっともアップルは一般的にゲーム大手とは見なされていない。特にMacについては、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」搭載型パソコンに比べ物足りないと感じている開発者やブレーヤーは多い。

  新アプリ導入によってアップル製端末でのゲーム利用が容易になり、ゲーム分野での存在感も高まるとみられる。ただソフトウエアの試験利用者によると、ハイエンドゲームの開発者やブレーヤーの間での評価を大きく変えるには至らないとみられる。

原題:Apple to Debut New Gaming App Within Days of Switch 2’s Arrival(抜粋)

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