2025年5月4日の火星の風景:これも自然の造形?【今日の宇宙画像】

【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

アーチ状に象られたような形状は自然物?それとも?

アメリカ航空宇宙局(NASA)が公開している「Mars Perseverance Raw Images」では、火星探査車「Perseverance」が撮影したRAW画像を日々更新しています。今回ご紹介するのは、Perseveranceのミッション第221週にあたる2025年5月4日に、マストにある右のMastcam-Zで撮影された1枚です。

※…2025年5月4日はPerseveranceのミッション1495ソル目にあたります。1ソル(Sol)は火星の1太陽日を指し、地球時間で約24時間40分に相当します。

  • Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU
  • NASA - Mars Perseverance Sol 1495: Right Mastcam-Z Camera

今回の画像は、まるで人工的に作られたようなアーチ状の地形と、中央上部にある不思議な形の岩を捉えたものです。一見すると作為的に作られたような形状ですが、周囲の地形と同様に、風化作用、かつて流れていた水による侵食、小天体の衝突などによる複数の自然課程によって形成された可能性が高いと考えられます。

火星ではこのような「不思議な地形や岩」がたびたび撮影され話題になりますが、現時点で人工構造物と断定された事例はありません。しかし、それらは私たちの想像力を刺激してきました。

以下の画像は、別日に撮影された同じ場所の画像です。見比べてみても「そこに何かがあった痕跡」のように感じてしまいますね。

【▲ 火星探査車「Perseverance」が2025年5月1日に撮影した火星の画像(Credit:NASA/JPL-Caltech/ASU)】

火星探査車Perseveranceとは

Perseveranceは、NASAが2020年に火星に送った探査車で、火星の地質や気候の調査、古代生命の痕跡の探索、将来の有人火星探査に向けた技術実証を目的としています。

【▲ 火星探査車Perseveranceに搭載されている観測装置の位置を示した図。Mastcam-ZとSuperCamはどちらもPerseveranceのマスト、通称“ヘッド(頭)”と呼ばれる部分に搭載されている(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

Mastcam-Zについて

Mastcam-Zは、Perseveranceのマストに搭載されている2つのカメラシステムで、主に火星の地形や岩石を立体的に撮影することができます。2012年8月に火星に着陸した火星探査車「Curiosity」に搭載されたMastcamから改良が加えられており、Mastcam-Zは最大4倍のズームが可能となっています。

なお、NASAによるとMastcam-Zの「Z」は、Zoomを意味するものだといいます。

【▲ 火星探査車Perseveranceのマスト部分の拡大画像。Mastcam-ZとSuperCamの設置場所がわかる(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

編集/sorae編集部

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