米軍、イランのドローン撃墜と発表 空母に向かって飛行と

画像提供, US Navy via Reuters

画像説明, 米空母エイブラハム・リンカーンの資料写真。イランのドローンが「攻撃的に」接近してきたと米軍は説明した

米中央軍は3日、アラビア海に展開している米空母にイランのドローンが「攻撃的に接近した」ため撃墜したと発表した。

米中央軍のティム・ホーキンス報道官によると、イランの沖合約800キロメートルの海域にいた空母エイブラハム・リンカーンに、ドローン1機が「意図が不明確」な状態で接近した。空母と乗員らを守る「自衛行為として」、空母から飛び立ったステルス戦闘機F-35Cがドローンを撃墜したという。

アメリカはこのところ、イランとの間で緊張が高まるなか、湾岸地域における軍事プレゼンスを強化している

アメリカのドナルド・トランプ大統領はイランに対し、核開発規制の合意に関して交渉に応じなければ、軍事行動に出ると脅している。

それ以前も、イラン各地で発生した反政府デモ同国政府が弾圧し、多数の死者が出た際に、アメリカによる介入の可能性を示唆した。

ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は、ドローン撃墜があった後に米FOXニュースに対し、アメリカとイランの交渉は週内に予定されたままだと説明。大統領の「常に外交第一の姿勢に変わりはない」と述べると同時に、トランプ氏は「常にさまざまな選択肢を用意しており、これには軍事力の行使も含まれる」と付け加えた。

イランの最高指導者アリ・ハメネイ師はこれまで、同国への攻撃は「地域戦争」を引き起こすと警告している。今回のドローン撃墜についてはコメントしていない。

米軍はこの日また、世界で最も多くの石油が輸送されるホルムズ海峡で、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が「アメリカ人の乗組員が運航する米国籍の商船に嫌がらせをした」と発表した。

米中央軍のホーキンス報道官によると、軍の支援で状況は「緩和」され、このタンカーは安全に航行したという。

アメリカとイランの協議

ホワイトハウスのレヴィット報道官は3日、トランプ政権の外交特使トップのスティーヴ・ウィトコフ特使が、政権を代表してイランとの協議に臨むと述べた。

米メディアは、同特使が6日にイランのアッバス・アラグチ外相とトルコ・イスタンブールで会談する予定だと報じていた。また、エジプト、オマーン、パキスタン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の外相も招かれるとしていた。

一方、米ニュースサイトのアクシオスはその後、情報筋2人の話として、イランは会談場所をオマーンに変え、イランとアメリカの当局者だけが出席することを望んでいると伝えた。

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は3日、「適切な環境が存在するなら」アメリカと交渉する用意があると述べた。

アメリカはイランに対して繰り返し、昨年6月のイラン攻撃を想起させている。トランプ氏は、イスラエルとイランの「12日間戦争」の間に行われたその攻撃によって、イランの核濃縮施設を「消滅させた」と述べている。

トランプ氏はまた、新たな攻撃は、当時の空爆よりも「はるかにひどい」ものになると述べている。

イランは自国の核開発について、完全に平和的なものであり、核兵器開発を目指すものではないとしている。

トランプ氏は先週、ホワイトハウスで記者団に対し、イラン側は「合意を望んでいる」と発言。イランについて、「核兵器禁止」と「抗議行動者らの殺害の中止」を約束しなければならないと述べた。

米拠点の「人権活動家通信(HRANA)」は、イランでの反政府デモで抗議者6424人、子ども152人、政府関係者214人、その場にいた58人が殺害されたことを確認したと発表した。さらに1万1280人が死亡したとの報告について調べているという。

ノルウェー拠点の人権団体「イラン・ヒューマン・ライツ」は、死者は2万5000人を超える可能性があると警告している。

イラン当局は、少なくとも3117人が殺されたと認めている。ただ、その大半は治安部隊の隊員らか、その場にいて「暴徒」によって殺害された人々だったとしている。

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