19歳で暗号資産58億円を獲得か、トランプ米大統領の末息子・バロン(Forbes JAPAN)
トランプ米大統領の末息子バロン・トランプ(19)は、父親が暗号資産についてほとんど何も知らなかった頃から、すでにこの世界にのめり込んでいた。 「バロンはこのことについて本当に詳しい」と、トランプは2024年9月に一族の暗号資産事業「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)」を立ち上げた際のインタビューで述べていた。「バロンはまだ若いが、本当によく知っている。彼は、ウォレットを4つくらい持っていると言うから、私は『ウォレットって何だ?』って聞いたんだよ」。 ■19歳で推定36億円の資産か トランプは、その後の9カ月で暗号資産で約10億ドル(約1440億円。1ドル=144円換算)を稼いだと推定されており、バロンもかなりの成果を上げたと見られている。実際のところ、バロンは4000万ドル(約57億6000万円)近くを暗号資産で稼ぎ、税引き後の資産が2500万ドル(約36億円)に達した可能性がある。 この金額は、彼の兄たちが同じ年齢の頃に築いていた資産を大きく上回ると考えられる。トランプの年長の息子たちはかつて、ラスベガスの父親のタワーや首都ワシントンのホテルの小さな持ち分を持っていたが、それらは、今回の暗号資産ブームほど巨額の利益を彼らに与えていなかった。 WLFの「ゴールドペーパー」(訳注:ホワイトペーパーをトランプ流にもじったもの)と呼ばれる事業計画書において、バロンは兄のドナルド・トランプ・ジュニア、エリック・トランプと並んで「Web3アンバサダー」という称号を与えられている。この3人は、WLF公式サイト上では他の4人とともに「共同創業者」として記載されている。
■資産公開で明らかになった、家族の持ち分 この事業における3人の息子たちの持ち分は、長らく不明だった。しかし、トランプが6月13日に開示資料を提出したことで、トランプ自身が52.5%の持ち分を保有し、家族らが合計22.5%を保有していることが明らかになった。 この文書では家族の持ち分の内訳までは示されていないが、仮に3人が等しい持ち分を与えられたとすれば、各自が7.5%ということになる。トランプは、首都ワシントンのホテルに関して、3人の子供の持ち分を3等分していた。 WLFは、これまで少なくとも5億5000万ドル(約792億円)相当のトークンを販売しており、そのうち3000万ドル(約43億2000万円)の運営費を除いた全額がトランプ一家に還元されたようだ。したがって、バロンと2人の兄はそれぞれ税引き前で3900万ドル(約56億1600万円)を受け取っていた可能性がある。 ただし、ここには不明点もある。トランプ家は2025年1月頃にこの事業の一部を売却したようだが、その取引は今回の財務開示の対象期間外だった可能性がある。そのため、この売却の時期や金額によって、バロンや兄たちが得た額も変動することになる。WLFおよびトランプ・オーガニゼーションは、フォーブスのコメント要請に応じなかった。 ■9歳のときに父が大統領選に出馬 バロンが得た正確な額が不明ではあるものの、彼が19歳にして、権力との近さを活かして利益を得てきた大統領親族のリストに名を連ねたことは、間違いない。父のトランプは、彼がまだ9歳だった2015年に大統領選への出馬を宣言した。 トランプは、その17カ月後に大統領選に勝利し、2017年1月にホワイトハウスに入った。バロンとその母のメラニアは、その夏にワシントンへ移り住んだ。バロンはその当時、メリーランド州ポトマックにある私立校、セント・アンドリューズ・エピスコパル・スクールに通ったと報じられており、同校の年間授業料は5万ドル(約720万円)とされる。彼は、公の場に姿を見せることは少なかったが、2020年に出版されたメラニアの伝記によれば、彼女は2018年に夫と婚前契約の内容を再交渉し、息子のためにより良い相続条件と家業への関与を確保したという。 その後ホワイトハウスを離れたバロンは、フロリダ州ウェストパームビーチにある年間授業料4万ドル(約576万円)以上のオックスブリッジ・アカデミーに通ったと報じられている。そして彼は、父親がWLFの立ち上げを発表した2024年9月に、ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスに入学した。同校の年間授業料も9万9000ドル(約1426万円)だが、バロンが学費に困ることはなさそうだ。
Kyle Khan-Mullins