インド、トランプ氏の25%関税に対応模索-輸出業者と協議開始
- インド商工相は数日前まで合意を確信、当局者からは驚きや失望の声
- 「通商担当チーム全体がインドに不満を抱いている」-米財務長官
インドは、トランプ米大統領が表明した厳しい関税措置を受け、米国側の不満に配慮する形で、米国製品の輸入拡大を含む複数の選択肢を検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。インドは即時の報復措置は見送る方針という。
非公開情報を話しているとして匿名を条件に述べた同関係者によれば、トランプ大統領が30日明らかにした対インド関税措置について、インド当局者の間では驚きと失望の声が上がっている。インドは米国との通商交渉を順調に進めたい考えで、最大の貿易相手国である米国からの輸入拡大に向けた手段を模索しているという。
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同関係者によると、米国産の天然ガスの購入を増やすほか、通信機器や金の輸入拡大も検討されている。これらの輸入を増やすことで、今後3-4年で対米貿易黒字の縮小につなげる狙いがあるとされる。一方、防衛関連の購入は現時点で計画されていないという。
トランプ氏が表明した関税措置に対しても、インドは報復措置を講じる意向はないと関係者は述べた。
数日前まで米国との貿易合意の実現に自信を示していたインドのゴヤル商工相は、31日の議会で、政府が現在、トランプ氏の関税措置の影響を見極めるため、輸出業者と協議を進めていると説明した。ゴヤル氏は「最近の動向の影響を分析している」と述べた。
ただし、インドのこうした対応を受けてトランプ氏が姿勢を軟化させるかは、依然として不透明だ。
一方、ベッセント米財務長官はCNBCに対し、インドが通商交渉を遅らせていると批判、「通商担当チーム全体がインドに不満を抱いている」と述べた。そのうえで今後の対応はインド次第だとしたうえで、ロシアとの緊密な関係を指摘し、インドは「優れたグローバルプレーヤーではない」とも述べた。
原題:India Weighs Options to Placate Trump After Shock 25% Tariff (2)
(抜粋)