子どもが在宅中に妻を殺害しバラバラにして遺棄した男に有罪評決 米

マサチューセッツ州デダムの陪審は15日、ブライアン・ウォルシュ被告に対し、妻を殺害した罪で有罪評決を下した/Greg Derr/Pool/The Patriot Ledger/AP

マサチューセッツ州デダム(CNN) マサチューセッツ州デダムの陪審は15日、ブライアン・ウォルシュ被告に対し、2023年に妻アナ・ウォルシュさん(39)を殺害した罪で有罪評決を下した。アナさんの遺体は発見されていない。

ウォルシュ被告は17日に仮釈放なしの終身刑を言い渡される見込み。

ウォルシュ被告は23年1月1日、3人の幼い子どもたちが家にいる間にアナさんを殺害したとして起訴された。検察によると、被告はアナさんの遺体をバラバラにし、同州コハセットの自宅近くにあるゴミ箱に遺棄した。

ウォルシュ被告は裁判に先立ち、警察を欺いた罪と妻の遺体を遺棄した罪を認めていたが、殺害については否認している。弁護団は、被告が当日の朝に妻がベッドで死亡しているのを発見したと主張している。

ウォルシュ被告は23年1月4日になって首都ワシントンのアナさんのパートタイム先に電話をかけ、行方不明届けを出した。被告は捜査官に対し、1日以降妻を見ていないと述べ、妻は仕事上の急用に対処するため同日午前6時ごろにワシントンへ戻ったと話した。

ウォルシュ被告が妻を殺害した方法については陪審員に示されなかったが、検察側は、自宅で暴力により死に至ったと推論するのが妥当だと述べている。

検察は裁判証拠として自宅リビングルームのラグの上に横たわるアナさんの写真を提出した。

検察は最終弁論で、このラグを殺人の証拠として挙げた。捜査官は、ウォルシュ被告の母親が住むアパートのゴミ箱からラグの一部を回収。アナさんの血で染まったラグは切り刻まれ、繊維にネックレスの破片が挟まっていたという。

検察は、ウォルシュ被告が血まみれのラグを廃棄し、1月2日に新しいものを購入したと主張している。

裁判に提出されたホームセンターの防犯カメラ映像を見るウォルシュ被告/Suzanne Kreiter/The Boston Globe/AP

弁護側は計画的殺人の証拠なしと主張

検察側は、殺害の動機について、妻がワシントンで出会った男性と数カ月にわたる不倫関係にあることを知ったためだと示唆している。

一方でウォルシュ被告の弁護団は、被告は妻がベッドで死亡しているのを発見し、自分が妻の死に無関係だとは誰も信じないだろうと考えパニックに陥ったとしている。

弁護人は、ウォルシュ被告が妻の不倫関係を生前に知っていたという証拠はないと主張したが、アナさんの遺体を処分し、その後警察にうそをついたという証拠があることは認めた。

裁判ではウォルシュ被告が遺体の処理方法や血液の洗浄方法について広く検索したことを示すデジタルデータも確認された。被告の弁護士はこれらの検索が「陰鬱(いんうつ)」で「不穏」なものだったと認めている。

弁護士はウォルシュ被告が妻を殺害する計画を立てた証拠はなく、あるのは妻の死後に行動を起こした証拠のみだと主張した。

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