OpenAIの元従業員がブログで公開…最先端AI企業はどのような働き方だったのか(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)

OpenAIは重要な人材の一部を失っているが、同社で過ごした時間について話している人はほとんどいない。だが従業員の1人、カルビン・フレンチ-オーウェンが最近、いくつかの詳細を共有した。OpenAIはボトムアップ文化で、昇進は実力主義だとフレンチ-オーウェンは述べた。 OpenAIで働く1年は濃厚だ。 元OpenAIの技術スタッフで、Codexと呼ばれるAIコーディングツールに携わったカルビン・フレンチ-オーウェン(Calvin French-Owen)が、2025年7月に長文のブログ記事を投稿し、同社での1年で何が起こったかを明かした。 このブログでは、実際にOpenAIで働いた人の、貴重な話を知ることができる。最近立て続けに退職した従業員の誰も明かしたことのない内容だ。 フレンチ-オーウェンが入社したのは2024年5月で、2025年6月に退職している。リンクトイン(LinkedIn)のプロフィールによると、OpenAIの前は、セグメント(Segment)という顧客データプラットフォームの共同創業者だった。次に何をするかは、まだ考えているところだという。 彼はOpenAIは「ボトムアップ」文化で、研究部門は特にそうだと述べている。そのため、同社は「非常に実力主義的」であり、昇進はアイデアを生み出し、それを実行する能力に基づいて行われる。最も有能な人材は全員参加のプレゼンテーションや「政治的な駆け引き」が苦手だったという。 サム・アルトマン(Sam Altman)CEOのリーダーシップ・スタイルに関する事実が、2023年に一時CEOを解任された際に表面化した。その後、同社の研究派と企業派の文化的衝突も話題になったがフレンチ=オーウェンによると、同社は非営利の起源に忠実なままだという。 「長くいればいるほど、物事を『研究』とか『善のための非営利』というレンズを通して見るようになる」 だからと言って、同社が利益を気にしていないわけではない。成功は主に、新たなツールやアップデートが生み出す登録者数によって測られるという。それが収益性への重要な道だ。 また、機関投資家やテック大手のような運営の仕方ではない。決断は迅速で、チームは流動的、そして「非常に秘密主義」で、他の人が何をしているのかを詳しく知ることはなかったという。 スタートアップのようなスピード感のある文化のもう一つの特徴は、ほとんどのコミュニケーションがスラック(Slack)で行われるということだ。フレンチ-オーウェンによると、OpenAIに在職中、受け取った電子メールは10通ほどだったという。 だが、このペースの早さが裏目に出ることもあるという。 「急速に拡大すると、すべてが崩れてしまう。会社としてのコミュケーション方法、報告の体制、製品の出荷方法、人材を管理および組織する方法、採用工程などだ」 労働時間は長い。製品の発表が近づけばなおさだ。OpenAIの一部のエンジニアがメディアに対し、週80時間働いて燃え尽きたと語ったことで、同社は7月初めに1週間の休みを与えたという。 Codexのリリースが近づいた時、ほぼ毎日、午前7時から真夜中まで働き、週末も働いたとフレンチ-オーウェンは述べた。 「大きな賭けなのだと思う」と彼は述べた。 「一方では、汎用人工知能(AGI)を構築するという目標があり、そしてもう一方では、何億ものユーザーが利用する製品を作ろうとしている。つまり、やるべきことが非常に多いのだ」 AGIは、人間と同等かそれ以上の推論能力を持つAIと定義されている。多くの大手AI企業が、このAIの開発を競い合っているのだ。 才能はその目標を達成する上で重要だ。世界最大のテック企業たちは、AGIレースに勝つため、一握りの研究者に数百万ドルを投じている。 メタ(Meta)は常に、こうした人材獲得戦争の最前線にいる。マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOは最近、スケールAI(Scale AI)CEOのアレグザンダー・ワン(Alexandr Wang)をAI開発のトップに据え、その他にも世界トップクラスのAI研究者を複数、他社から引き抜いた。 ザッカーバーグが引き抜きを行うトップ企業の1つがOpenAIだ。OpenAIで「o1」やディープリサーチ・モデルに携わったジェイソン・ウェイ(Jason Wei)と、その同僚のヒョンウォン・チョン(Hyung Won Chung)は最近、メタに転職するため退職した。 最終的にはOpenAIに戻る可能性もある、とフレンチ-オーウェンは述べた。 「仕事の質が、私を引き戻すこともあり得る」とフレンチ-オーウェンは述べた。 「AGIほど影響力の強いものを作ることを想像することは難しいし、LLMは間違いなく、10年で最大の技術革新だ」 Business Insiderはコメントを求めたが、OpenAIからの回答はなかった。

Lakshmi Varanasi

BUSINESS INSIDER JAPAN
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