米LA郡、薬物過剰摂取死が昨年22%減-フェンタニル関連が大幅減

Isabela Fleischmann

  • フェンタニル関連の死亡件数、前年比37%減-2020年以来の低水準
  • 薬物乱用防止や危害軽減、リハビリ用住宅のプログラム拡充が寄与

米カリフォルニア州ロサンゼルス郡では昨年、薬物過剰摂取・中毒に関連した死亡件数が前年比22%減少し、過去最大の改善幅を記録した。合成麻薬フェンタニルに関連する死亡件数の大幅な減少が寄与した。

  ロサンゼルス郡公衆衛生局は25日、フェンタニルに関連する死亡件数が前年比37%減少したと発表した。同郡では昨年、フェンタニル関連の死亡件数が2020年以来最低の1263件を記録。ただ、19年の件数と比較すると依然として約3倍に上る。

  合成オピオイドであるフェンタニルは、ヘロインの50倍、モルヒネの100倍の強度を持つ合成薬物。23年に同郡の過剰摂取による死亡件数の64%を占めていたが、昨年は52%に減少した。

  最近の減少傾向は、昨年全米で報告された傾向とおおむね一致している。米疾病対策センター(CDC)は、全米の薬物過剰摂取による死亡件数が昨年に27%減少したと報告した。

  同郡公衆衛生局のツァイ薬物乱用対策ディレクターは、今年1月の暫定データによると同郡では過剰摂取による死亡件数の増加は確認されていないと述べた。これとは対照的に、連邦政府の初期データは全米レベルのわずかな増加を示している。

  ツァイ氏は記者会見で、全米データは「油断できないことを示している」と指摘。一方、同郡での過剰摂取死亡件数の減少には、薬物乱用防止や危害軽減、リハビリ用住宅のプログラム拡充が寄与したと話した。オピオイド拮抗(きっこう)薬の一種であるナロキソンは、学校や図書館を含むより多くの場所で入手可能になった。

  連邦議会がメディケイド(低所得者向け医療保険制度)向けの支出削減を検討する中、ツァイ氏は薬物過剰摂取死の継続的な減少を支援するため、連邦資金の重要性を強調した。

原題:Drug-Overdose Deaths Fall by Record 22% in Los Angeles County(抜粋)

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