5月に売れ?ビットコインは10万7000ドルを突破──今夏に史上最高値更新の可能性も(CoinDesk JAPAN)

ウォール街では毎年夏になると、株式市場に対して「5月に売り逃げろ」という格言が唱えられる。しかしビットコイン(BTC)に関しては、今年は伝統からの脱却となるかもしれないと、一部のアナリストは言う。 「欧州の夏場に入る中で、大きな逆風や売り圧力というよりも、『5月に買って逃げろ』ということになりそうだ」と、暗号資産(仮想通貨)取引会社ウィンセント(Wincent)のディレクター、ポール・ハワード氏は述べた。 ハワード氏は、米国におけるデジタル資産をめぐる前向きな規制の動きと、ETF(上場投資信託)とスポットアロケーションの両方を通じて増加する機関投資家の買いが重なり、今後数カ月でビットコインを押し上げる準備が整っていると述べた。 例えば、米国で取引されているビットコイン現物ETFは、5月19日に6億6700万ドル(約970億円、1ドル=145円換算)の純流入を記録し、ビットコイン価格は1月に記録した史上最高値をわずかに下回って推移しており、これは根強い需要を裏付けているとハワード氏は指摘した。 SoSoValueによれば、ビットコイン現物ETFは5月に33億ドルの資金を集めた。その上、マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏のストラテジー(Stratefy)社に倣い、社債や株式発行で資金を調達し、ビットコインをバランスシートに追加する企業が相次いでいる。 「デジタル資産の時価総額が4兆ドルに近づくにつれ、ビットコインは今後数週間で史上最高値を更新するだろう」とハワード氏は述べた。TradingViewのデータによると、暗号資産の時価総額は現在、約3兆3000億ドルとなっている。 歴史的に夏場は暗号資産の動きが鈍いが、マクロ的・政治的要因は、この季節に典型的な低迷状態を崩しかねない形で収束しつつある、と暗号資産分析会社カイコ(Kaiko)のアナリストは指摘する。 6月に予定されている米連邦準備制度理事会(FRB)による次回の金利に関する決定は、ドナルド・トランプ米大統領が貿易相手国に対して関税を課す期限の7月9日に先立つが、いずれも市場全体でボラティリティを引き起こす可能性があると、カイコの報告書には記されている。 ビットコインのオプション市場はすでに投資家の期待の兆しを見せている、とカイコのアナリストは言う。6月27日満期の権利行使価格11万ドルと12万ドルの契約が大きな出来高を集めており、ビットコインが史上最高値を更新する動きへの賭けを示唆している、とカイコの報告書は指摘している。 ビットコインは20日、一時10万7000ドルを超え、過去24時間では1.2%上昇。1月に記録した史上最高値をわずか2%下回る水準で取引された。 |翻訳・編集:山口晶子|画像:Shutterstock|原文:Sell in May? Bitcoin Tops $107K, Could Hit Record Highs This Summer Say Analysts

CoinDesk Japan 編集部

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