格安百貨店コールズ株29%高、予想ほど業績悪化せず-減収鈍化を楽観
- セフォラとのタイアップなどが奏功、四半期売上高は予想より小幅減
- コールズは一部の仕入れ先に支払い猶予を打診と前日に報道
ディスカウント百貨店チェーン、米コールズの株価が27日の米株式市場で急伸している。同社はこの日、楽観的な通期売上高見通しを示し、事業好転に向けた取り組みが軌道に乗り始めている兆候と受け止められた。
コールズは通期の既存店売上高見通しが5%以下の減少になると予想。従来予想は最大6%の減少だった。4-6月(第2四半期)の売上高はウォール街の見通しより良好だった。
ニューヨーク時間午前の取引で、コールズ株は一時29%上昇。前日終値の時点では年初来7.1%下げていた。
第2四半期の決算によれば、高級宝飾品や小柄サイズ、婦人服のてこ入れや、化粧品小売りチェーンのセフォラなどとのタイアップといった、コールズの取り組みが客足回復に奏功したもよう。
また価格を抑えた自社ブランド商品の在庫状況にも改善が見られると、ブルームバーグ・インテリジェンスは分析している。
第2四半期の既存店売上高は4.2%減少し、アナリスト予想の5%減より小幅だった。
「この結果は当社の想定を上回るものであり、当社の施策が顧客に響き始めていることを示している」と、マイケル・ベンダー暫定最高経営責任者(CEO)は発表資料で述べた。
コールズの売上高は14四半期連続で減少しており、業界内の激しい競争や経営陣混乱の中で反転を図っている。同社は5月にアシュリー・ブキャナンCEOを解任。同氏はかつて恋愛関係にあった人物のビジネスに、数百万ドル規模の事業を誘導していたという。同社はその前に、オフィス勤務従業員の10%を削減していた。
同社は一部の仕入れ先に支払い猶予を求めていると、複数関係者の情報としてブルームバーグ・ニュースが26日に報じた。事業好転計画を進めるにあたり、支払い戦略を見直していることが、猶予を求めた理由だという。
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原題:Kohl’s Jumps on Rosier Outlook in Sign of Turnaround Progress(抜粋)