イスラエル極右派閣僚、慣例破り聖地「神殿の丘」で礼拝

イスラエル極右派のベングビール国家治安相は3日、イスラム教とユダヤ教の双方が聖地としているエルサレムの「神殿の丘」を訪れ、慣例を破って礼拝を行った。写真はベングビール氏。2024年12月撮影(2025年 ロイター)

[エルサレム 3日 ロイター] - イスラエル極右派のベングビール国家治安相は3日、イスラム教とユダヤ教の双方が聖地としているエルサレムの「神殿の丘」を訪れ、慣例を破って礼拝を行った。

 数十年にわたる「現状維持」のための取り決めではヨルダンのイスラム教神託財団(ワクフ)がこの場所を管理し、ユダヤ教徒は訪問できるが、礼拝することは認められていない。

 ネタニヤフ首相は、ベングビール氏の神殿の丘訪問後に発表した声明で、現状を維持するイスラエルの政策は「変わっていないし今後も変わらない」と強調した。

 ユダヤ人団体が公開した映像には、ベングビール氏が率いる集団が神殿の丘を歩いている様子が映っている。インターネット上には、同氏が礼拝しているとされる動画も複数出回っているが、ロイターは映像が本物かどうか今のところ確認できていない。

 ワクフによると、ベングビール氏ほか1250人が神殿の丘に登り、祈ったり叫んだり、踊ったりしたという。

 ベングビール氏は以前にも神殿の丘を訪れ、ユダヤ教徒の礼拝を可能にするべきだと主張している。

 同氏は声明で、パレスチナ自治区ガザにおけるイスラム組織ハマスに対するイスラエルの勝利と、ハマスが拘束する人質の解放を祈ったと述べた。

 パレスチナ自治政府を率いるアッバス議長の報道官は、ベングビール氏の行動は「一線を越えた」と激しく非難。トランプ米政権を筆頭に国際社会が今すぐ介入し、こうした挑発だけでなく、ガザでの戦闘やユダヤ人入植活動を止める必要があると強調した。

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