アエロフロート、システム障害で40便超欠航 ハッカーが犯行声明

 7月28日、ロシアの航空大手アエロフロート・ロシア航空は、システム障害のため40便以上を欠航したと発表した。写真はモスクワから離陸するアエロフロート機。2020年3月撮影(2025年 ロイター/Maxim Shemetov)

[モスクワ 28日 ロイター] - ロシアの航空大手アエロフロート・ロシア航空(AFLT.MM), opens new tabは28日、システム障害のため50便以上を欠航したと発表した。ウクライナ支持を表明するハッカー集団がベラルーシのハッカー集団と共同でサイバー攻撃を仕掛けたとする犯行声明を出しており、ロシア検察当局は刑事捜査を開始した。

事件を巡っては、「サイレント・クロウ」と名乗るハッカー集団が犯行声明を発表。ベラルーシのルカシェンコ大統領に反対し、ベラルーシを独裁から解放する活動を行っているとする「ベラルーシ・サイバーパルチザン」と共同で作戦を実行したと表明した。

サイレント・クロウは声明でロシア・ウクライナ戦争との関連性にも言及。声明で「ウクライナに栄光あれ。ベラルーシ万歳」と記した。ベラルーシ・サイバーパルチザンも、「われわれは侵略者と戦うウクライナを支援している。アエロフロートにサイバー攻撃を仕掛け、ロシア最大の航空会社を麻痺させている」と表明した。

ロイターは声明の信ぴょう性を独自に確認できていない。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、事件に憂慮を表明。「ハッカー行為は国民にサービスを提供する全ての企業にとって脅威になっている」と述べた。

アエロフロートは合計54の往復便を欠航。この日は合計260便が予定されていたが、残りの206便は運航する予定。「飛行スケジュールへの影響を最小限に抑え、通常のサービス運営を回復するために作業を行っている」としている。

サイレント・クロウは声明で、今回のサイバー攻撃は1年に及ぶ作戦の成果だとした上で、アエロフロートのネットワークに深く侵入し7000台のサーバーを破壊し、上級管理職を含む従業員のパソコンを掌握したと主張。「アエロフロートを利用したことのある全てのロシア人の個人データ」を近日中に公開すると警告した。

サイレント・クロウは今年に入ってから、ロシアの不動産データベース、国営通信会社、大手保険会社、首都モスクワ市の情報通信部門などに対する攻撃を行ったと犯行声明を出している。こうした攻撃の一部は大規模なデータ流出につながった。

ウクライナは今回の事件について今のところコメントしていない。

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