グーグルのAI、年内のiPhone標準搭載目指す-ピチャイCEO
- 米政府がグーグルに対して起こした反トラスト法訴訟でCEOが証言
- アップルは6月に年次会議開催、グーグルと合意なら発表の可能性も
米アルファベットのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は4月30日、同社の人工知能(AI)「Gemini」が今年中にアップルのスマートフォン「iPhone」に標準搭載される選択肢として追加されることを望んでいると明らかにした。
アップルのAI「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」は、iPhoneやタブレット端末「iPad」、パソコン「Mac」で利用できるAI機能の大半において独自のモデルを使用している。
しかし、同社はオープンAIの「ChatGPT(チャットGPT)」とも連携し、アップルの音声アシスタント「Siri」や文章作成・編集機能「Writing Tools」への統合を進めている。
ピチャイ氏は、米政府がアルファベット傘下グーグルに対して起こした反トラスト法(独占禁止法)訴訟で証言した際、こうした方針を示した。同氏は2024年にアップルのティム・クックCEOと会談を重ねており、今年半ばまでに合意に至ることを目指しているという。
アップルとグーグルは長年にわたり提携関係にあり、07年にはグーグルが「ユーチューブ」をiPhone向けアプリとして提供し、12年まではアップル製デバイスの地図アプリを支えていた。
だが、両社最大の合意はアップルのウェブブラウザー「Safari」での検索機能に関するもの。グーグルがデフォルトの検索エンジンとして使われており、この点も訴訟の焦点となっている。
アップルは年次開発者会議を6月9日の週に開催し、新しい基本ソフト(OS)バージョンを発表する予定だ。グーグルと合意に至れば、このイベントで「iOS 19」や「iPadOS 19」、次期「macOS」の一部として発表される可能性がある。
原題:Google Eyes Gemini-iPhone AI Deal This Year, Pichai Tells Court (抜粋)