米政権、メリーランド州連邦地裁を提訴 移民送還の阻止命令巡り
6月25日、トランプ米政権は24日、看板政策である不法移民の国外追放を阻む判決を出したメリーランド州の連邦地裁と判事15人を相手に訴訟を起こした。写真はキャンプデービッドから大統領専用ヘリコプター「マリーン・ワン」でホワイトハウスに到着したトランプ米大統領。9日撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
[25日 ロイター] - トランプ米政権は24日、看板政策である不法移民の国外追放を阻む判決を出したメリーランド州の連邦地裁と判事15人を相手に訴訟を起こした。政権が連邦裁判事全員を訴えるのは極めて異例だ。
同地裁は先月、勾留に異議を唱えて提訴した不法移民の強制送還を自動的に2営業日差し止める命令を出したが、司法省はこの判断を違法だとし、メリーランド州の連邦判事ではなく他州の判事が訴えを審理するよう求めている。
政権側は差し止め命令を出す基準となる連邦最高裁の判例に反しているほか、議会の意図を無視していると主張。ボンディ司法長官は声明で、「国民はトランプ大統領を政策遂行のために選んだ。司法の行き過ぎた介入は民主主義のプロセスを損なうもので、容認できない」と述べた。
同地裁は先に、犯罪組織のメンバーと見なされて中米エルサルバドルに強制送還されたキルマー・アブレゴ・ガルシア氏を米国に連れ戻すよう政権に命じていた。
デューク大学のマリン・レビー教授は、今回の提訴について「全く前例のない、衝撃的な動きだ」とし、「裁判所を攻撃するための戦略的な試みの一環のようだ」と述べた。
司法省はコメントを拒否した。
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Nate Raymond reports on the federal judiciary and litigation. He can be reached at [email protected].