インド、ロシア産原油を購入止めていない-トランプ氏の発言と矛盾

Sudhi Ranjan Sen、Rakesh Sharma

  • 現時点でロシアからの輸入を停止する決定は下されていない-関係者
  • インドがロシア産原油購入しない方針と「聞いている」-トランプ氏
Photographer: Dhiraj Singh/Bloomberg

トランプ米大統領がインドのロシア産エネルギー輸入を非難した後も、インド政府はロシア産原油の購入を停止するよう国内の石油精製会社に指示していない。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  現時点でロシアからの輸入を停止する決定は下されていない。非公開情報だとして匿名を条件に関係者が語った。国営、民間を問わず精製会社は希望する供給元から購入することが認められており、原油の調達は商業的な判断に委ねられているという。

  トランプ氏は7月30日、インドが軍事装備品とエネルギーの大半をロシアから購入し続けていると批判。インドに対して25%の関税を課すとした上で、ロシア政府との緊密な関係を理由に制裁を科す可能性を示唆した。

  同氏はその2日後、インドがロシア産原油を今後購入しない方針だと「聞いている」と記者団に語り、「良い一歩だ」と述べていた。

  インド政府は、エネルギーの調達は市場原理と価格によって決まると主張している。関係者によれば、精製会社は先週、ロシア以外からの原油購入計画を策定するよう指示を受けた。

  インド政府は、ロシアからの供給が途絶えた場合に備え、国営の石油精製会社に代替供給源と調達量の概要をまとめるよう求めたという。

  関係者の1人は、ロシア産原油が入手不能になった場合を想定したシナリオプランニングに相当すると説明した。

  米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は8月2日、トランプ氏の警告にもかかわらず、インド政府はロシア産原油の購入を継続する方針だとインド高官2人の話を引用して報じた。

  インド石油省の報道官は、ブルームバーグからの業務時間外の問い合わせに返答しなかった。

原題:India Hasn’t Stopped Russian Oil Purchases After Trump Rebuke (抜粋)

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