国際ニュース:AFPBB News
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【10月2日 AFP】米南部テネシー州で死刑執行を生き延びたクリスタ・パイク死刑囚(50)が重体に陥り、「救命治療」を受けていることが1日、弁護団によって明らかになった。
パイク死刑囚は9月30日夜、麻酔薬ペントバルビタールを2回投与されたにもかかわらず死亡せず、刑務所の死刑執行室から近くの病院に搬送された。
弁護団のランディ・スパイビー弁護士は1日午後に開いたオンライン記者会見で、「われわれが受けた説明によると、彼女は重体で、救命治療を受けている」と述べた。
スパイビー弁護士は、パイク死刑囚の減刑を拒んでいたテネシー州のビル・リー知事に対し、改めて死刑判決を破棄し、減刑するよう要求。
「20年以上にわたる独房拘置に耐え、致死量注射による本気で命を奪おうとする試み(薬物注射による死刑執行)を生き延びたクリスタは、米国の死刑の歴史において、他の誰よりも過酷な刑罰に耐えてきた。知事は今すぐ彼女の判決を減刑しなければならない」と述べた。
弁護団は死刑執行前、パイク受刑者の静脈が極めて細いことや血液疾患を抱えていることから、死刑囚の腕などに静脈路を確保し、そこから致死量の薬物を投与するやり方では不必要な苦痛を引き起こすとして不服を申し立てていた。
スパイビー弁護士は、「彼女の左腕だけでも少なくとも7本もの注射針が刺されているのを確認した。そのうち1本は静脈路の確保に失敗して腕から抜かれた際、曲がっているように見えた」と主張した。
弁護団のスティーブン・フェレル弁護士は、針が抜けたり静脈を突き破ったりすることで、致死薬が血管内ではなく周囲の皮下組織に漏出するリスクを医療専門家が事前警告していたと指摘。
「まさにその恐れていた事態が発生した可能性が高い」と述べた。
立ち会ったメディア関係者によると、パイク死刑囚は死刑執行中にスタッフに対し、腕が「破裂しそうだ」と訴えていた。スパイビー弁護士も、特に2回目の致死量注射の後、同死刑囚の右腕が紫色に変色するのを目撃したと語った。
フェレル弁護士は、パイク死刑囚が死そのものを恐れていたわけではないと強調。
「彼女が恐れていたのは、長引く痛みに満ちた凄惨な死であり、死に至らなかったことを除けば、まさにその懸念通りになってしまった」と語った。
テネシー州矯正局は、「州が定めた正当かつ確立された死刑執行プロトコルのすべての手順を順守した」との声明を発表し、パイク死刑囚がその後「刑務所外の医療施設」へと移送されたことを認めた。
パイク死刑囚は18歳だった1995年、交際相手の男と共に、若者向けの職業訓練施設のクラスメートだったコリーン・スレマーさん(当時19、女性)を殴り殺した。
スレマーさんの遺体の胸部に悪魔の象徴・悪魔崇拝のシンボルとして知られる五芒星(ペンタグラム)が刻まれていたことから、事件は全米の注目を集めた。
弁護団は、犯行当時のパイク死刑囚の年齢とメンタルヘルスの問題を理由に、減刑が認められるべきだと訴えていたが、リー知事は介入しない意向を示した。
死刑情報センター(DPIC)によると、米国で1976年に死刑制度が復活して以降、死刑を執行された女性死刑囚はわずか18人となっている。
ドナルド・トランプ米大統領は1日夜、パイク死刑囚の死刑執行が失敗に終わったことに疑問を呈し、死刑執行は「それほど難しいことではないはずだ」と述べた。(c)AFP