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トヨタ「クラウンセダン」の販売開始から約1年半が経過した2025年3月に、第4弾モデルとなる「クラウンエステート」が発表されました。初公開されたときから注目度の高いクラウンエステートですが、以前ラインアップされていたモデルとは一線を画したクルマとなっています。

スポーツと同じ2.5LハイブリッドとPHEVを用意

2022年7月にトヨタ「クラウン」のクロスオーバー、セダン、スポーツ、エステートという4モデルが世界初公開された。2022年7月のクロスオーバーを皮切りに、2023年10月にはスポーツ、11月にはセダンと3モデルは順調に販売された。

そしてセダンの販売開始から約1年半が経過した、2025年3月にエステートが正式に販売されて4モデルがそろい踏みとなった。エステートは、クラウンがもつ品格と機能性を両立する「大人のアクティキャビン」を目指したモデルとなっている。

クラウンエステートは、クロスオーバー、スポーツと同じGA-Kプラットフォームを活かした伸びやかなキャビンに、「上質」「洗練」「余裕」と「機能性」を併せ持つ、ワゴンとSUVを融合させた新しいデザインを採用している。

洗練さと個性を両立した一体型デザイン

フロントマスクには、バンパー一体型フロントグリルを採用。グリルとバンパーを一体化し、ボディと同色とすることによりスタイリッシュで独自性のある意匠としたほか、上から下にメッシュパターンが変化するデザインで洗練さを表現している。

また、水平基調のデイライトランプを採用したハンバーヘッドフェイスやバックドアに配した一文字のリアコンビネーションランプによりワイド感と先進性を強調している。

クラウンエステートのインテリアは、クラウンシリーズ共通の「アイランドアーキテクチャー」を採用。メーターやディスプレイを水平に配置し、ドライバーの視線移動を最小限に留めるデザインとすることで、運転操作に集中でき、ロングドライブも苦にならない空間を実現している。

クラウンエステートはアクティブライフを広げられるようなラゲッジスペースが特徴。ラゲッジ容量は5人乗車時で570L、リアシートをすべて格納すると最大で1470Lの容量を実現している。また、リアシート折りたたみ時には長さ2mの完全フルフラットスペースを生み出す新機構「ラゲッジルーム拡張ボード」をトヨタとして初採用。レジャーやアウトドアなどのさまざまなシーンにおいて新たな体験価値を提供する。

さらに、ラゲッジ部には引き出し式のデッキチェアやデッキテーブルなどフルフラットスペースをより快適に過ごすことができるアイテムを採用。普段はスマートに車内に収納でき、車中泊や外出先での快適性を高めることでくつろぎ空間を演出している。

価格はハイブリッド635万円、PHEV810万円から

クラウンエステートに搭載されているパワートレインは、クラウンスポーツと同じ2.5Lエンジンのハイブリッドシステムと2.5Lプラグインハイブリッドシステム(以下PHEV)の2種類。しかし2.5Lハイブリッドシステムは、フロントモーターの出力をクロスオーバー、スポーツより約5割向上。これにより多くの荷物を搭載してもストレスのない加速性能を発揮する。

また、PHEVはエネルギー密度の高い大容量リチウムイオン電池を床下に配置することで、室内空間をスポイルすることなく、EV走行可能距離は日常生活の大半をカバーできる89kmを実現している。駆動方式はPHEVのエステートRS、ハイブリッドのエステートZともにE-Fourと呼ばれる電気式4WDを採用し、燃費性能はWLTCモードでハイブリッド車が20.3km/L。PHEVが20.0km/Lとなっている。

軽快ながら重厚感のある走行性能を実現するため、後輪操舵システムのDRSに独自のセッティングを施し、電子制御サスペンションにも減衰力の向上と摩擦低減を図る独自設定を加えている。ノーマル、スポーツ、リアコンフォートという3つのモードを設定し、中でもリアコンフォートモードではリアシートはもちろん、全席で揺れの少ないストレスフリーな乗り心地を実現している。

最新の運転支援機能、トヨタセーフティセンスを標準装備したクラウンエステートの車両本体価格はハイブリッド車のエステートZが635万円。PHEVのエステートRSが810万円(すべて消費税込)となっている。


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クラウンクロスオーバーは一部改良と同時に特別仕様車を設定

また2025年4月には新型クラウンの第1弾として登場したクラウンクロスオーバーが一部改良を行うと同時に、クラウン誕生70周年を記念した特別仕様車を設定した。

この70周年記念車の外観には、「日本の風景との調和」を表現したバイトーンのボディカラー、プレシャスメタル×プレシャスホワイトパール、プレシャスメタル×ブラックという2色を用意。さらに、マットブラック塗装の21インチアルミホイール、ブラック加飾を施したトヨタエンブレムといった専用パーツを装着。

インテリアでは、特別内装色のブラックラスターをはじめ、「THE 70th」をあしらったプレミアムシフトノブやクラウン専用キーなどを装備している。また、RSでは本革を使用したスポーツシートやディンプル加工を施した本革巻きスポーツステアリングホイール、アルミペダルを装備している。

車両本体価格はクロスオーバーZ “THE 70th”が600万円、クロスオーバーRS“THE 70th”が680万円(すべて消費税込)となっている。

AMWノミカタ

今回のクラウンエステートの登場により、16代目クラウンが出揃った。クラウンクロスオーバーはハイヤーやタクシーとして活躍し、スタイリッシュなスポーツは国産ミドルSUVの中で人気モデルとなっている。満を持して登場したエステートは、どんなユーザーが購入するのか非常に注目されるところであり、クラウンの販売台数を伸ばす起爆剤となるかもしれない。

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