ビットコイン小幅高、イーサリアムは4000ドル台まで反発──市場心理は「恐怖」の領域へ(CoinDesk JAPAN)
暗号資産市場は9月25日、緩やかに反発し、ビットコイン(BTC)は11万ドル超えまで回復した。イーサリアム(ETH)はそれをアウトパフォームし、3.8%上昇して4000ドルを上回っている。 一方、ドージコイン(DOGE)は3.4%高、ソラナ(SOL)は2.5%高となっている。 この慎重な買いは、新たに報告されたインフレデータが予測と一致した中で行われた。米連邦準備制度理事会(FRB)が好む物価指標である個人消費支出(PCE)指数は8月に前年比2.7%上昇し、食品とエネルギーを除いたコアPCEは2.9%上昇した。 シグナム・バンク(Sygnum Bank)のCIOであるファビアン・ドリ(Fabian Dori)氏は、このデータは物価圧力が徐々に緩和されているというFRBの見方を補強したが、FRBは同時に、根強いインフレと軟調な労働市場のバランスを取ることが求められていると述べた。 「投資家にとって、それが意味するところは2つある。インフレが低下傾向にあれば、FRBの緩和サイクルへの信頼からリスク資産が追い風を受けるかもしれない」とドリ氏は述べ、次のように続けた。 「しかし、今後発表されるデータに予想外の上振れがあれば、短期的な利下げ期待が後退し、株式に重しとなり、米ドルを押し上げる可能性がある」。
一方、暗号資産のセンチメントは依然として脆弱だった。広く注目されているセンチメント指標である恐怖と貪欲指数は25日、28まで急落し、4月中旬以来の最も落ち込んだ水準となり、トレーダー間の「恐怖」を示唆している。 これは、24日の11億ドル(約1650億円、1ドル=150円換算)の清算の波がレバレッジをかけたロングポジションを一掃した後の最近のボラティリティを反映している。 「最近、約30億ドルのレバレッジをかけたロングが清算された」と、デジタル資産運用会社21シェアーズ(21Shares)のストラテジストであるマット・メナ(Matt Mena)氏は指摘した。 過剰なレバレッジがほぼ一掃されたことで、ポジションは極端な弱気に振れており、ビットコイン、ソラナ、ドージコインなどの人気トークンは現在、ロング対ショートの比率がわずか1対9になっていると、メナ氏は述べた。 メナ氏は、これに恐怖と貪欲指数が極端な低水準にあることが相まって、「潜在的なショートスクイーズの舞台が整う」と主張した。 取引会社ウィンセント(Wincent)のシニアディレクターであるポール・ハワード(Paul Howard)氏は、市場が安定する前にさらに下落する可能性があると警告した。 ハワード氏は、ビットコインが11万ドル以下の100日移動平均線を下回ったことと、暗号資産の時価総額合計が4兆ドルを下回ったことを弱気の兆候として指摘した。 「市場はパニックやボラティリティの著しい上昇なしに健全な調整を行っている」と、ハワード氏は述べた。そして、「今後数週間は徐々に下落していく可能性が高い」と付け加え、暗号資産が2025年に史上最高値の水準まで再び高騰するかどうか疑問視し始めていると述べた。 |翻訳・編集:山口晶子|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Edges Higher, ETH Rebounds Above $4k as Sentiment Slips Into 'Fear' Territory
CoinDesk Japan 編集部