EU、温室効果ガス40年に90%削減を提案 クレジットも一定容認

欧州委員会は2日、2040年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で90%削減するとの目標を提案、同時に達成に向け発展途上国のカーボンクレジットを一定程度利用することを初めて認める方針を示した。ブリュッセルのEU本部、2023年撮影(2025年 ロイター/Yves Herman//File Photo)

[ブリュッセル 2日 ロイター] - 欧州委員会は2日、2040年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で90%削減するとの目標を提案、同時に達成に向け発展途上国のカーボンクレジットを一定程度利用することを初めて認める方針を示した。

欧州連合(EU)はその上で50年までに温室効果ガスの排出量をゼロにする。EUは主要国の中で最も野心的な気候変動目標を掲げている。

これまでのところEUの排出量は全て各国での排出量削減に基づいていた。しかし、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、チェコなどの反対を受け、ドイツの姿勢を反映して目標のうち3%ポイントまでは国連が支援する市場を通じ、他国からカーボンクレジット購入が可能としている。

カーボンクレジットは36年から段階的に導入される。EUは来年、クレジットの質的基準や買い入れ主体についての規則を定める法案を提出する予定。

EUの気候科学アドバイザーは、国外のカーボンクレジット購入が可能になると産業界が投資を怠るとし、40年目標で算入することに反対している。

EU各国は40年目標を承認する必要がある。9月中旬にEUは新たな35年気候変動目標を国連に提出しなければならないが、これは40年目標から設定される。

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Kate Abnett covers EU climate and energy policy in Brussels, reporting on Europe’s green transition and how climate change is affecting people and ecosystems across the EU. Other areas of coverage include international climate diplomacy. Before joining Reuters, Kate covered emissions and energy markets for Argus Media in London. She is part of the teams whose reporting on Europe’s energy crisis won two Reuters journalist of the year awards in 2022.

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