ビットコインは低ベータ資産へと進化する:ブラックロックのデジタル資産部門責任者(CoinDesk JAPAN)
ビットコイン(BTC)は、時価総額で世界最大の暗号資産(仮想通貨)として、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の貿易戦争がアメリカの資産からの資金流出を促す中でも、安定を維持している。 いわゆる「デカップリング(連動性の解消)」は、暗号資産支持者の間でBTCが株式に比べて安全資産であり、低ベータ資産としての役割を果たすという信念を強化した。 ブラックロック(BlackRock)のデジタル資産責任者のロバート・ミッチニック(Robert Mitchnick)氏は、暗号資産が反射的に恒久的な低ベータ資産として進化する可能性があると指摘している。 「根本的には意味がないのに、繰り返されるうちに、実際に自己実現的なものになる可能性がある」とミッチニック氏は4月30日にドバイで開催された「Token2049」カンファレンスの討論会で述べた。「専門家や研究機関、他のコメントレーターが繰り返し指摘してきたため、反射的に起こる可能性がある」。 投資家は今月初め、米中貿易摩擦の激化が景気後退懸念を招いたことを受け、ナスダック指数やS&P 500を含むアメリカ資産を積極的に売却した。しかしBTCは比較的安定を保ち、7日間の基準では暗号資産のボラティリティがS&P 500よりも低い水準を示した。 この一時的な乖離は、特定の国の経済的、政治的、金融リスクから切り離された資産としての暗号資産への信頼を強化し、アメリカで現物ETF(上場投資信託)への資本流入が再加速した要因になったとミッチニック氏は説明した。 ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)のデータによると、過去10営業日で現物ETFに少なくとも30億ドル(約4200億円、1ドル=140円換算)が流入し、ブラックロックのIBITが最も多くの資金流入を記録した。 ミッチニック氏は、最近の乖離の要因の一部は、ビットコインが不安定な短期保有者から、より長期的かつファンダメンタル重視の保有者へと移ったためだと付け加えた。このシフトは「確実に起こっている」と彼は述べた。 ヴァンエク(VanEck)のヤン・ヴァン・エク(Jan van Eck)CEOは、同じ討論会で発言し、ビットコインが2020年以前の相関のない資産だった時期に戻ってほしいと述べた。 2020年のコロナ危機後のビットコインの規制が進み、昨年初めにETFが上場して以来、この暗号資産は伝統的金融資産(主にナスダック指数)との相関関係を強めてきた。これにより、ビットコインはポートフォリオ分散化の手段としての魅力を失った。 ヴァン・エク氏は、相関関係が弱まれば、トレーダーはより多くのビットコインを保有する傾向にあると説明した。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin May Evolve Into Low-Beta Equity Play Reflexively, BlackRock's Mitchnik Says
CoinDesk Japan 編集部