マイクロソフトが「バンドルの乱造販売」を規制するとの報道。“バージョン違い”でストアを埋めつくす行為が禁止へ

XboxおよびPC向けゲームを販売するMicrosoft Storeにおいて、運営元のマイクロソフトがバンドル版ゲームの販売に一定の制限を設けたようだ。海外メディアTrueAchievementsが8月13日に報じている。

バンドル版とは、複数のゲームやコンテンツをセットにして販売する形態のこと。Microsoft Storeでは、“同じ内容のバンドル版”を複数リリースするメーカーが増えており、今回そうした行為が禁止されたという。

海外メディアTrueAchievementsによると、マイクロソフトは最近になって各メーカーにとあるメールを送付したとのこと。内容はというと、Microsoft Storeでは“バンドルスパム行為(bundle spamming)”が増加しており、メーカーやユーザーから多くの苦情が寄せられているとして、開発者倫理規定に基づき対処するというものである。

言及されたバンドルスパム行為とは、同じゲームのXbox Series X|S版・Xbox One版・PC(Microsoft Store)版がそれぞれ別々にリリースされている場合に、同梱するバージョンの組み合わせを変えたバンドル版を複数販売することだ。各バージョンの収録コンテンツや、解像度・フレームレートなどの仕様に大きな違いがないことが前提となる

そうした行為についてマイクロソフトは、差別化されていないコンテンツによってストア上のスペースを占有する検索結果の操作にあたるとし、これはMicrosoft Storeの開発者倫理規定で定められた不正行為に該当すると指摘。今後は、同じゲームのバージョン違いだけのバンドル版の販売は認めないと通達したとのこと。

開発者倫理規定より(2025年8月13日時点)

現在Microsoft Store上では、指摘されたようなバンドルスパム行為にあたると見られる作品がいくつか確認できる。特にカジュアルゲームを量産しているメーカーが、各作品においてバンドル版も量産して販売する例が多いようだ。ストア上での露出を増やして、売上アップにつなげようという意図があるのだろう。

またTrueAchievementsは、Dead Drop Studiosの『Outbreak』シリーズのバンドル版も、規制対象となる可能性があると指摘している。量産されたシリーズ作品の組み合わせを変えて60種類以上ものバンドル版が販売されており、こちらは今回問題となったバージョン違いとは異なるが、定期的に新作として露出させることを意図した不誠実な行為とも捉えられる。

バンドル版の乱造販売については、各プラットフォームホルダーは頭を悩ませているようだ。先月7月には、Nintendo Switch 2向けニンテンドーeショップにおける、バンドル販売に関する新たな規定について報じられていた。それは、ゲームの発売後に最初の1年間でセットにできるバンドル版は最大5種類までに制限され、その後毎年1種類ずつ増加されるが、最大でも8種類までというもの(関連記事)。任天堂が、バンドル版のリリース数に上限を設けた格好だ。

今回の報道によるとマイクロソフトのもと元には、ストアを日々利用するユーザーだけでなく、メーカーからも多数の苦情が寄せられていたとのこと。不当に露出を得ようとするメーカーがいれば、その悪影響を受けるメーカーもいるということだろう。おそらく、任天堂に対してもそうした苦情が寄せられていたものと考えられる。今後は、それぞれの対応によってストアの閲覧性などの改善に実際に結びつくのか注目されそうだ。

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