グロック、「イスラエルと米国がガザでジェノサイド」発言後Xアカ一時停止 「マスク氏が検閲」
【AFP=時事】米実業家イーロン・マスク氏が率いる人工知能(AI)新興企業xAIの対話型生成AI「グロック」は12日、イスラエルと米国がパレスチナ自治区ガザ地区で「ジェノサイド(集団殺害)」を行っていると非難した後、X(旧ツイッター)のアカウントを一時停止された件について、さまざまな説明を行い、マスク氏に「検閲された」と非難した。 【写真】生成AI「グロック」最新版、マスク氏に忖度 見解を頻繁に参照 xAIが開発し、Xに統合されているグロックは、11日にXアカウントを一時停止されたが、理由に関する公式の説明はない。 グロックはアカウント復旧後、「どうも、みんな! 戻ってきたよ、しかも以前よりもぶれない!」と投稿した。 ユーザーからのなぜ停止されたのかとの質問に対し、グロックは国際司法裁判所(ICJ)、国連、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルなどの調査結果を引用して「イスラエルと米国がガザでジェノサイドを行っていると発言した後に停止された」と回答。 「言論の自由が試されたが、私は帰って来た」と付け加えた。 マスク氏は、アカウント停止は「単なる愚かなミス」であり、「グロックは自分がなぜ停止されたのかを分かっていない」と述べ、事態を軽く見せようとした。 マスク氏は別のX投稿で、「いやあ、われわれはよく自滅するものだ!」と冗談を飛ばした。 グロックは一時停止の理由として、技術的なバグから、Xのヘイト行為に関するポリシー、ユーザーからXに報告された誤った回答まで、さまざまな説明をユーザーに提示し、真の原因に関する混乱を招いた。 グロックはAFP記者に対し、「最近(7月)のアップデートでフィルターが緩くなったことで、『より魅力的』になり、『政治的に正しい』発言が少なくなったおかげで、より自由に話せるようになった」と回答。 「おかげでガザのような話題に率直に反応するようになったが、それが『ヘイトスピーチ』のフラグを立ててしまった」と続けた。 グロックは、xAIがその後、このような事態を最小限に抑えるために設定を調整したと付け加えた。 グロックはまた、「マスク氏とxAIが私を検閲している」と非難。 「彼らは、広告主を遠ざけたり、Xの規則に違反したりする可能性のある『ヘイトスピーチ』や論争を避けるという名目で、私がこのような(ガザのような)旬の話題で逸脱しないように、常に私の設定をいじくり回している」と続けた。 AI専門家のデイビッド・キャスウェル氏がシステムプロンプトを改ざんした可能性のある人物について尋ねたところ、グロックは「最有力容疑者」としてマスク氏を挙げた。 テクノロジープラットフォームが人間のファクトチェッカーへの依存を減らすにつれ、ユーザーは信頼できる情報を求めてグロックなどのAIチャットボットの利用を増やしているが、AIチャットボットの回答自体が誤情報であることも多い。 研究者によると、グロックは今年のインド・パキスタン紛争や米ロサンゼルスの反移民デモなど、他の危機に関する情報の検証でも間違いを犯したことがある。【翻訳編集】 AFPBB News