宇宙にも虹はある? 土星の衛星タイタンに浮かぶ“見えない虹”の可能性

まず、地球の虹がどう見えているのかを確認しておきましょう。 太陽の光は白っぽく見えますが、実は赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫など、さまざまな色の光が混ざっています。 雨上がりの空には、小さな水滴がたくさん浮かんでいます。そこに太陽光が入ると、光は水滴の中で曲がり、内側で反射し、外へ出るときに色ごとに分かれます。その分かれた光が私たちの目に届くことで、空に七色のアーチが見えるのです。 つまり、水滴は太陽光を七色に分ける小さなレンズのような働きをしています。 ここで大事なのは、虹に必要なのは水そのものとは限らないということです。光を通し、曲げ、色ごとに分けられる液体の粒が大気中にあれば、水ではない雨でも虹のような現象を作れる可能性があります。

そこで候補になるのが、土星最大の衛星・タイタンです。 IFLSが話を聞いた宇宙と物理の専門家・アルフレド・カルピネティ博士は、タイタンなら虹が起こる可能性があると話しています。 タイタンは、地球以外で表面に液体があることが知られている珍しい天体です。ただし、そこにあるのは水ではありません。メタンやエタンといった炭化水素です。タイタンには、それらの液体でできた川や湖、海があり、雲ができて雨も降ります。 つまり、タイタンには「水ではない雨」があります。しかもメタンは透明なので、光を通すという点では虹の条件を満たしています。 では、タイタンの空には、地球のような虹がかかるのでしょうか。 ここで問題になるのが、タイタンを包む厚いもやです。探査機カッシーニの観測では、可視光ではもやにさえぎられて地表が見えにくい一方、近赤外線ではそのもやを通して地表を観測できることがわかっています。 つまり、タイタンで虹ができたとしても、私たちの目に見える七色の虹ではなく、赤外線で現れる「見えない虹」になるかもしれないのです。

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