ビットコイン、再び10万ドルの大台に接近-リスク選好の回復追い風

David Pan

  • ビットコインは一時9万7483ドルまで上昇、2月21日以来の高値
  • マクロ経済要因が左右する傾向からモメンタム取引へのシフト示唆か

暗号資産(仮想通貨)ビットコインが再び10万ドルに迫っている。2月下旬以来の高値を付けるなど、金融市場全体で投資家のリスク選好が回復しつつある兆しが出ている。

  ビットコインは過去数週間、トランプ米大統領の関税政策が逆風となっていた。1月20日のトランプ氏の2期目就任式当日には過去最高値となる約10万9000ドルを記録したが、その後は一時30%値下がりしていた。

  1日の取引で、ビットコインは一時3.1%高の9万7483ドルまで上昇。これは2月21日以来の高値。前回10万ドルに到達したのは2月7日だった。ほかの暗号資産も上昇しており、ドージコインは4.8%高、イーサは3.3%高となった。

  背景には、通常はレバレッジ拡大に使用されるデリバティブ需要が低調な中で、現物市場が回復していることがある。これは、インフレや関税といったマクロ経済要因に左右される傾向から、モメンタム取引へと市場の焦点が移りつつあることを示唆している。

  ビットコインおよびイーサに連動する上場投資信託(ETF)は先週、計32億ドル超の資金流入を記録。中でもブラックロックの「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(ティッカーIBIT)」には今年最大となる15億ドル近くが流入した。ブルームバーグがまとめたデータで明らかになった。

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原題:Bitcoin Approaches $100,000 After Breaking Through 10-Week High(抜粋)

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