トライアルHD/西友を母店とした小型店「TRIAL GO」関東に年内出店
2025年07月02日 15:28 / 経営
トライアルホールディングスは7月2日、小型スマートストア「TRIAL GO」を年内に関東へ出店すると発表した。
<小型店の関東出店を本格化する> ※左から西友大久保恒夫副会長、トライアルHD永田社長、西友の楢木野仁司社長、武田正樹執行役員
同社は7月1日付で、西友の全株式を取得。経営統合により、西友のプライベートブランド(以下:PB)「みなさまのお墨付き」を今秋から全国のトライアル店舗に導入するなど既存店改革、出店戦略、収益性の向上、リテールメディアの四つの施策を推進する。
7月2日開催された記者会見で、永田洋幸社長は、「統合ビジョンを『買い物を面白く、暮らしを豊かに』と定めた。西友を統合することで、テクノロジーを生かし、ムダ・ムリ・ムラを解消。顧客ニーズの深い理解、パーソナライズされた買い物体験の提供など流通情報革命を進めていく」と意気込みを語った。
出店戦略では、トライアルHDが福岡中心に展開している「TRIAL GO」の関東進出を早ければ秋にも計画している。
「TRIAL GO」の取扱商品は3000~1万1000点を想定。西友の店舗・製造拠点を活用し、でき立て総菜・生鮮などを高頻度で配送、競合他社との差別化を図る。
西友のノウハウも生かし、トライアルHDが苦手としてきた都心での出店を本格化することで、購買力の高い首都圏のデータを収集・分析。データ活用やノウハウの蓄積により、都心に強い小型業態に育成したい考え。
また、トライアルHDが開発した決済機能付きスマートカート、デジタルサイネージといったリテールメディア施策、顔認証決済などを搭載したセルフレジも導入する計画。
西友の楢木野仁司社長は「TRIAL GOは、コンビニや小型店の跡地に数多く出店できる可能性がある。トライアルグループの明治屋の職人が開発した本格的な弁当・総菜、ミールキット、すしといった商品で、価値を創出する。福岡でデジタルサイネージ、顔認証など、AIカメラなどデジタルを使ったリモートでの監視などを実験しながら、30人時といったローコストオペレーションで運営できる小型店を作り出してきた。新しい小型店を関東に投入することに、統合の最大の価値があると感じている」と話した。
<左:西友の新社長に就いた楢木野氏>
さらに、収益性の向上では、トライアルHDと西友のプロセスセンター、セントラルキッチン拠点を統合。グループ全体の生産能力と収益性の向上を図り、両社の強みであるPB・総菜を全国の店舗に供給できる体制を構築していく。
取材・執筆 鹿野島智子
西友/新社長にトライアルカンパニー楢⽊野会長、大久保前社長は副会長に
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