「iPad(A16)」の実力を試す。「Apple Intelligence」なしでも十分使える11インチタブレット
iPad(A16)は、11インチのLiquid Retinaディスプレイを搭載する。本体の大きさは248.6×179.5×7mmで、重さ(公称値)はWi-Fiモデルが477g、Wi-Fi+Cellularモデルが481g。 タブレットとしては標準的なサイズ感だが、見た目の印象よりは軽く感じた。また、7mmの薄さでバッグにもしまいやすい。 画面の縁(ベゼル)はやや太めの印象だが、画面の縁に親指を置く形で持つことが多いのでそれほど気にならなかった。 画面解像度は2360×1640ドットで、画面輝度は500nits。屋内で使う際にはあまり気にならないが、直射日光下では少し明るさが足りないと感じることもある。 本体カラーはシルバー、ブルー、ピンク、イエローの4色展開。黒系統の色がないのがやや残念だが、筆者は鮮やかな色合いと金属の光沢感が気に入った。
電源ボタンは指紋認証「Touch ID」に対応している。顔認証「Face ID」は非搭載だが、顔をカメラに向ける必要があるFace IDより、指を当てるだけで済むTouch IDのほうが便利なシーンもある。 また、iPad(A16)はウェブ会議用デバイスとして役に立つ。正面カメラは12MPセンターフレームカメラで、被写体を自動的に認識して画角を調節する機能を備えている。本体を横向きにした時に、カメラが上に来るようにデザインされているのも使い勝手がいい。 外部ディスプレイへの出力は最大4Kの解像度に対応し、60Hzの表示をサポート。ディスプレイにつないで、会議前に資料を細かくチェックするような使い方もできる。 バッテリーは、Wi-Fi接続時のインターネット利用やビデオ再生で最大10時間持続する。Wi-Fi+Cellularモデルの場合は、携帯電話ネットワークでのインターネット利用で最大9時間となる。
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iPad(A16)が搭載するチップセット「A16 Bionic」は、「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」と同じだ。 後継チップとして「A18」が存在するため、A16 Bionicはいわゆる「型落ち」ではあるものの、十分活躍できるスペックだ。動画編集などは厳しいが、ゲームアプリも快適に動作する。 記事執筆時点(2025年5月30日)の最新OS「iPadOS 18」はiPadシリーズだと第7世代以降に対応する。命名規則が異なるためわかりづらいが、今回レビューしたiPad(A16)は実質「第11世代」のiPadとなる。 アップルは今後のサポートスケジュールを公開していないため断言はできないが、仮に1年に1回のOSアップデートのたびに1世代ずつサポートが終わるとしたら、iPad(A16)は5年間は最新のOSをサポートするのではないか。 そう考えると、5万8800円(税込)~という価格に対するパフォーマンスは悪くない。Apple Intelligenceには非対応だが、ゲームや動画視聴、電子書籍用といった使い方であれば、十分長く活躍できるだろう。
佐藤文彦[ガジェットライター]