米ロッキードと独ラインメタルがATACMS共同生産に関する覚書に署名

ロッキード・マーティンとラインメタルは7日に開催されたNATO首脳会議の防衛産業フォーラムで「戦術弾道ミサイル=ATACMS共同生産に関する覚書」に署名し、両社はATACMS生産のドイツ移転を計画中だが、米国政府が技術移転を承認するかどうかは保証されていない。

参考:Lockheed MartinLockheed Martin and Rheinmetall Move Forward with ATACMS Co-Production in Europe 参考:RheinmetallLockheed Martin and Rheinmetall Move Forward with ATACMS Co-Production in Europe 参考:Germany set to become first international site for ATACMS missile production

米陸軍はMLRSやHIMARSで使用する戦術弾道ミサイルの調達を旧型のATACMSから新型のPrSMに切り替えたものの、ロッキード・マーティンは同盟国やパートナー国からの発注を処理するためATACMSの生産も続けており、現在は台湾、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、モロッコ発注分を処理している最中だが、ATACMSとPrSMの生産は同じ施設と人員を共有しているため、米陸軍はPrSMの調達を拡大・加速するためATACMSの生産終了を望んでいる。

出典:Lockheed Martin

ラインメタルのパッパーガー最高経営責任者は2025年10月「HIMARSやMLRSを運用する同盟国や友好国からのATACMS需要が続いている」「そのためATACMSの生産をドイツに移転させ、米国の生産ラインをATACMSからPrSMに切り替えることが目標だ」と述べていたが、ロッキード・マーティンとラインメタルは7日に開催されたNATO首脳会議の防衛産業フォーラムで「ATACMS共同生産に関する覚書」に署名した。

ロッキード・マーティンとラインメタルはプレスリリースの中で「本合意は米国政府とドイツ政府の支援を受けて締結された」「これはNATOおよび同盟軍向けのATACMS製造・統合・流通を担う欧州初の中核拠点を構築する合弁事業設立に向けた第一歩だ」と述べており、Defense Newsも「ロッキード・マーティンはPrSM生産を優先するためATACMS生産を段階的に縮小している。PrSMは最終的にATACMSに取って代わる予定だが、旧型のATACMSに対する欧州やウクライナの需要は依然として高い」「ドイツの拠点が稼働すればATACMSを生産する初の海外拠点となる」と報じている。

出典:Photo by John Hamilton

ちなみに米国政府とドイツ政府の支援を受けて「ATACMS共同生産に関する覚書」に署名したとしても「米国政府がドイツでATACMSを生産するための技術移転を承認するかどうかは別問題」で、ポーランドとロッキード・マーティンは「国産シャーシにHIMARSランチャーを統合したHomar-A×486両調達の枠組み」に2023年9月署名し、この枠組みには「ポーランドにおけるGMLRS製造および技術的サポート」が含まれ、2024年に枠組み協定に基づいた最初の契約交渉(100基前後)が開始されたものの、米国政府がGMLRS国産化に必要な技術移転に同意しないためHIMARSランチャー調達契約は行き詰まってしまった。

要するに「ロッキード・マーティンが共同生産や現地生産の枠組みに署名しても、米国政府は必要な技術移転を必ず承認するとは限らない」「共同生産や現地生産に必要な米国政府の承認は枠組みに署名した企業が本拠を置く国が交渉するもの」という意味で、Defense Newsも「ATACMS共同生産に関する覚書が正式事業になるかどうかは米国政府が技術移転を承認するかどうかに懸かっている」と指摘している。

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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin

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