韓国の韓悳洙前首相、大統領選出馬表明-保守系候補の一本化視野

韓国の韓悳洙前首相は2日、6月3日投開票の大統領選への出馬を正式に表明した。最終的には保守系与党「国民の力」の候補者との一本化を視野に入れるとみられる。

  韓前首相(75)は記者会見で、「私は勝つことができる経済大統領であり、左や右ではなく先に進む人物であり、約束を守った後すぐに退く人間だ」と言明した。

  尹錫悦前大統領は昨年12月に非常戒厳を宣布したが、撤回を求める決議案が国会で可決されたことから、わずか数時間で解除。憲法裁判所は先月、尹氏に対する国会の弾劾訴追は妥当との判断を下し、同氏は直ちに大統領を罷免された。

  韓前首相は数カ月にわたり政治混乱に見舞われている韓国に安定をもたらすとし、大統領任期を4年、2期までとすることを提案。これにより政権の継続性が高まる可能性がある。大統領に当選すれば、2年以内に憲法改正を実現し、3年目に選挙を実施して退任する意向も示した。

  「改憲をしっかりと粘り強く推進していく。国民の暮らしもしっかりと粘り強く守っていく」と語った。

  改憲案の国会議決には3分の2以上の賛成が必要で、その後に国民投票が実施される。過去にも試みられてきたが、党派間の対立でほとんど進まなかった。

  大統領権限を代行していた韓氏は1日に首相を退任。経済副首相兼企画財政相だった崔相穆氏が大統領代行を務める予定だったが、国会での弾劾訴追案の上程を受けて辞任したため、李周浩社会副首相兼教育相が同代行となった。

  韓氏は最終的に「国民の力」の候補者との一本化を視野に入れているとみられる。国民の力は3日に大統領選の公認候補を選出するが、同じ支持層で票が割れれば革新系最大野党「共に民主党」に有利に働く可能性がある。

  世論調査では、共に民主党の大統領候補である李在明前代表が他候補を大きく引き離して首位を走っている。ただ、公職選挙法違反の罪に問われた李氏を巡っては、最高裁が1日に2審の無罪判決を破棄し、高裁に差し戻した。

関連記事:韓国最高裁、野党大統領候補の無罪判決を破棄-首相と財政相辞任

  韓氏は保守、革新両政権で要職経験を持つ官僚出身のベテランで、財政経済相や駐米大使などを歴任した。大統領権限代行を務めていた際には、トランプ米大統領と電話会談を行い、通商問題を巡り協議した。

原題:S. Korea’s Han Looks to Rally Conservatives in Election Bid (1)(抜粋)

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