沈黙のロシア、トランプ氏が短縮したウクライナ停戦合意期限に無反応
トランプ米大統領が決定したウクライナ停戦合意期限の短縮に対し、ロシアはこれまでのところ沈黙を貫いている。アナリストらはロシアのプーチン大統領の方針がこの決定によって転換することはないとみている。
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トランプ氏は今月、プーチン氏に対し50日以内にウクライナ停戦に合意するよう求めていたが、28日には合意に応じないのであれば、10-12日以内にロシアの輸出品を購入している国に制裁を科すと警告した。トランプ氏は「待つ理由はない」と述べ、停戦への呼び掛けを拒み続けるプーチン氏へのいら立ちをあらわにした。
ロシア政府に近いモスクワの政治コンサルタント、セルゲイ・マルコフ氏はテレグラムで「ロシアは非常に外交的な対応を見せるだろう」としたうえで、「ただし、トランプ氏の最後通告に対する実際の反応は、過去500年間と同じく、『消えろ!地獄へ落ちろ!』というものだ」と投稿した。
また、モスクワ在住の政治アナリスト、アンドレイ・コレスニコフ氏は、プーチン氏にとってトランプ氏との関係維持は重要だが、「戦争をやめる意思はなく、圧力を受けてやめるなど、なおさらあり得ない」との見方を示した。
ロシア安全保障会議の副議長を務めるメドベージェフ前大統領はは、トランプ氏が「最後通告ゲームを演じている」と述べ、これは「ロシアと米国の戦争への一歩だ」と警告した。
ロシア国営タス通信によれば、ロシアは利益を守るために軍事作戦を継続する方針だ。
同国は米国とサウジアラビアに次ぐ世界3位の原油生産国であり、海上輸送だけで1日あたり300万バレル超を輸出し、インドや中国といった主要な消費国に原油を供給している。今後、ロシア産原油の供給に重大な混乱が生じた場合には、他の産油国からの供給拡大や、既存の原油輸送ルートの見直しが迫られるとみられる。
スコットランドを訪問中のトランプ氏は28日、もはやプーチン氏との対話に「あまり関心がない」と述べ、「プーチン氏はよく話す。われわれの会話は素晴らしく、敬意に満ちている。だが、その夜にはミサイルが発射され、人が死ぬ」と続けた。
それでも、ロシアのメディアは、トランプ氏が対ロ制裁措置の決定を繰り返し先送りしてきたことから、今回も実行について懐疑的なロシア側の見方を示している。
原題:Kremlin Is Silent on New Trump Deadline Russia Is Likely to Snub
*RUSSIA TO CONTINUE MILITARY OPERATION TO PROTECT INTERESTS:TASS
(抜粋)