欧州首脳、停戦交渉にウクライナ関与呼びかけ トランプ氏3者会談に前向き

独仏などの欧州首脳は13日、トランプ米大統領とオンライン会合を開き、ロシア・ウクライナ戦争の停戦実現に向け協議した。写真はウクライナのゼレンスキー大統領とドイツのメルツ首相。ベルリンで同日撮影(2025年 ロイターJOHN MACDOUGALL/Pool via REUTERS)

[ワシントン/ベルリン 13日 ロイター] - トランプ米大統領は13日、ロシアのプーチン大統領がウクライナでの和平に合意しなければ「深刻な結果」に直面すると警告した。15日の米ロ首脳会談後にウクライナのゼレンスキー大統領も交えた3者会談を早期に行う可能性があるとも述べた。

トランプ氏はロシアが直面する結果について具体的には明らかにしなかったが、米アラスカ州で15日に開く会談で進展が得られなければロシアに経済制裁を科す考えをこれまでに示している。

15日の会談後にプーチン氏が停戦に合意しない場合、ロシアは何らかの結果に直面するかと記者団から質問されたのに対し、トランプ氏は「そうだ」と応じ、制裁や関税に直面するのかと問われると「言うまでもない。非常に深刻な結果がもたらされる」と述べた。

同時に、プーチン氏との会談がうまくいけば、ゼレンスキー氏も交えた3者会談を早急に行いたいとも述べた。15日の会談はその「土台を築く」ことが目的との見方を示し、「最初の会談がうまくいけば、すぐに2回目もやるつもりだ」と発言。「プーチン大統領とゼレンスキー大統領が私の参加を望むなら、両氏と私の間ですぐにでも2回目の会談を行う」と述べた。2回目の会談の時期については明らかにしなかった。
これより先、独仏などの欧州首脳とゼレンスキー氏はトランプ氏とオンライン会合を開き、停戦実現に向け協議した。欧州首脳は停戦協議にはウクライナの関与が必要と訴え、トランプ氏に慎重な対応を呼びかけた。

トランプ氏は「非常に良い会合で、10点満点で評価したい。極めて友好的だった」と述べた。関係筋によると、会合では3者会談を開く可能性のある都市についても協議された。

オンライン会合はドイツの呼びかけで実施。 ゼレンスキー氏はベルリンを訪問し参加した。 ドイツのメルツ首相はゼレンスキー氏との共同記者会見で、 安全の保証が守られる形でのウクライナ停戦の条件をトランプ氏に示し、「ウクライナが交渉の席に着かなくてはならないと明確に伝えた」と言及。「交渉が正しい順序で進むことを望んでおり、まず停戦から始めなくてはならない」と述べた。

また、ウクライナには領土問題について交渉する用意があるとしながらも、「ロシアによる占領を法的に承認することは議論の対象にならない」と言明。ウクライナには「強固な安全の保証の確約」が必要だと述べた。

15日の米ロ首脳会談を巡り、ウクライナと欧州の同盟国はトランプ氏がプーチン氏に歩調を合わせウクライナに不利な条件で合意を取り付ける可能性を懸念。メルツ氏は、武力による国境変更は認められないという原則は引き続き適用されなければならないとした上で、米ロ首脳会談でロシア側からの進展が見られなければ、米国と欧州はロシアに対する圧力を強めなければならないとし、トランプ氏は欧州のこうした立場を理解し、おおむね同意していると語った。

フランスのマクロン大統領によると、トランプ氏はウクライナの領土問題を巡るいかなる協議にもウクライナが関与しなければならないとの考えに同意。トランプ氏は、ウクライナの領土についてはウクライナ大統領のみが交渉するという認識も明確に示したという。

ゼレンスキー氏は、停戦実現を最優先し、信頼できる安全の保証が必要になると改めて表明。「ウクライナに関するあらゆる事項はウクライナの関与があってのみ協議されなくてはならない」と述べた。ゼレンスキー氏によると、トランプ氏は戦争終結後の安全の保証を確約したという。

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Berlin correspondent who has investigated anti-vaxxers and COVID treatment practices, reported on refugee camps and covered warlords' trials in The Hague. Earlier, he covered Eastern Europe for the Financial Times. He speaks Hungarian, German, French and Dutch.

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