【解説】「スイッチ2」の世界出荷数350万台突破 三つのポイント #エキスパートトピ
任天堂は、新型ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ2)」の世界出荷数が4日間(6月5日~8日)で350万台を突破したと発表しました。任天堂のゲーム専用機として過去最高の売れ行きで、多くのメディアも記事にしていますが、「良くわからない」という人もいるかもしれません。そこで理解の参考になる記事を紹介しながら、三つのポイントを挙げてみます。
ココがポイント
「Nintendo Switch 2」について、発売後4日間(6月5日~6月8日)の世界累計販売台数が350万台を突破出典:任天堂 2025/6/11(水)
英国におけるSwitch 2の初動の売り上げは(略)PS4、PS5、Xbox Series X|Sの売り上げよりも少ない出典:IGN JAPAN 2025/6/11(水)
任天堂の2025年3月期連結決算が発表(略)「ニンテンドースイッチ2」の年間出荷計画(~2026年3月)が1500万台出典:河村鳴紘 2025/5/9(金)
エキスパートの補足・見解
一つ目のポイントは「4日間で350万台」の売れ行きは、驚異的ということ。初代スイッチ(約3万円)の出荷数が1カ月弱で274万台、ソニーの「PS5」(当時は約4万円~)は50日間で450万台でした。一部の報道で出ていた「600~800万台」の予測は、外れたものの、任天堂が多くの在庫を抱えていたことが分かります。ともあれ、お手頃感を“武器”にしてきた任天堂のゲーム機が、約5万円(約500ドル)の価格でこれだけ売れたのは自信になるはずです。
二つ目は、海外の売れ行きは、日本とは差があること。日本で人気爆発のスイッチ2ですが、日本は価格の優遇があります。一方で、海外では抽選をせずに購入でき、英国では、PS5やXbox Series Xの初動の売れ行きの方が上という報道もあります。
三つ目は、この勢いが持続するかです。経済的に依然として厳しいといわれる日本ですが、高めの価格をものともせず、最大商戦の年末年始で売れるか。そして初年度出荷計画の1500万台を達成し、数字を上積みできるか。仮に普及スピードが鈍化しても、任天堂は多くのキラータイトルを抱えていて、その発表でも流れを変える力があります。今後も注目です。
ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。