日経平均は4日ぶり反落、中東懸念くすぶる
[東京 19日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比396円81銭安の3万8488円34銭と4日ぶりに反落、この日の安値で取引を終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は無難に通過したものの、中東情勢の緊迫化への警戒感がくすぶり、利益確定や戻り待ちの売りが下押しした。
日経平均は小安く寄り付いた後も下げ幅を拡大し、きょうの安値圏での値動きが続いた。FOMCでは市場の予想通り政策金利を据え置いた一方、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は改めて利下げを急がない考えを示したことなどから、ややタカ派的との受け止めもあり、利益確定や戻り待ちの売りの口実となった。
中東の地政学リスクも、引き続き投資家心理の重しになった。前日までの3連騰で1000円超上昇していたことの反動も意識された。米当局者らが数日以内にイランを攻撃する可能性に備えていると報じられたことが警戒された。
もっとも市場では、中東情勢に対し「ホルムズ海峡封鎖などといったひどい状況への過度な警戒感は今のところなく、株価は底堅さがある」(アセットマネジメントOneの浅岡均シニアストラテジスト)との見方が聞かれた。ただ、買い材料にも乏しい。米景気の底堅さが意識されているものの「(実際の経済活動の結果を集計した)ハードデータが悪くならないとの確信は得られておらず、買い上がれない」(浅岡氏)という。
19日の米国市場がジューンティーンス(奴隷解放記念日)で休場となることもあり、午後には動意に乏しくなった。大引けにかけては弱含み、安値で引けた。
前日まで堅調だった半導体関連株は軟調な銘柄が目立った。一方、外部環境が不透明な中、ディフェンシブ性と成長期待のあるIP(知的財産)関連に退避資金が向かった。内需株が物色され、インバウンド客数の増加を受けて百貨店や陸運はしっかり。東証スタンダード指数やREIT指数は小幅に上昇した。
TOPIXは0.58%安の2792.08ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.58%安の1436.85ポイントだった。プライム市場の売買代金は3兆6462億6600万円で盛り上がりを欠いた。東証33業種では、値上がりは水産・農林や陸運、小売など10業種、値下がりは医薬品や電気機器、輸送用機器など23業種だった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが657銘柄(40%)、値下がりは890銘柄(54%)、変わらずは79銘柄(4%)だった。
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