ガザ封鎖2カ月、食料ほぼ払底 国連「水を巡る殺し合い」と窮状訴え

国連の援助当局者は2日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの物資の全面封鎖が2カ月の節目を迎え、減少する物資を巡って争いが勃発していると述べた。4月撮影(2025年 ロイター/Hatem Khaled)

[ジュネーブ 2日 ロイター] - 国連の援助当局者は2日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの物資の全面封鎖が2カ月の節目を迎え、減少する物資を巡って争いが勃発していると述べた。

イスラエルは3月2日以降、ガザ地区の住民230万人へのあらゆる物資供給を完全に遮断しており、停戦中に備蓄した食糧はほぼ底をついている。これはガザ地区史上最長の封鎖となる。パレスチナ住民と援助関係者によると、30日にはガザ地区全域で少なくとも5件の略奪事件が発生した。

ガザの国連人道問題調整事務所(OCHA)のオルガ・チェレフコ氏はビデオ会見で、物資を巡る暴力が激化しているとし、「水の入手がほぼ不可能になっている。給水車が到着したばかりなのに、水を巡って殺し合いが繰り広げられている」と窮状を訴えた。

他の援助団体でも、この1週間ですでに食料が底をつき、支援活動が閉鎖の危機に瀕しているというところもある。赤十字はガザにおける人道支援は「完全崩壊」の瀬戸際にあると述べた。

イスラエルはこれまで、ガザが飢餓危機に直面しているという説を否定しており、十分な援助物資がまだあると主張している。

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