29年サウジ冬季アジア大会、開催国変更を検討-他国に打診か
2029年冬季アジア競技大会の開催国であるサウジアラビアとアジア・オリンピック評議会(OCA)は、開催地変更の可能性を検討し、他国との接触を始めた。競技会場として計画されているサウジのスキーリゾートの建設が難航していることが背景にある。
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非公開情報を話しているとして匿名を条件に述べた事情に詳しい関係者によると、サウジの代表者はこの件に関して中国側と非公式な協議を行った。また、韓国の大韓体育会(KSOC)の当局者はブルームバーグへの電子メールで、OCAから大会開催の可能性について打診を受けたことを明らかにした。
サウジにとって冬季アジア大会は、世界にアピールする重要な節目とみられている。事情に詳しい関係者によれば、サウジは期限に間に合わせるため、最終的には「トロジェナ(Trojena)」と呼ばれるこのスキーリゾート開発計画を縮小する可能性もある。現在のところ、トロジェナは段階的な計画に沿って進めていると、サウジは公に説明している。
ただ、スキーリゾートの一部が期限までに間に合わない恐れがあるとして、今年に入って開催国の変更についてサウジ内で初期段階の話し合いが行われたと、複数の関係者が語った。トロジェナはサウジが進めるメガシティープロジェクト「ネオム(Neom)」の一角を成している。
ビジネス情報プラットフォームのMEEDによれば、トロジェナの事業費は推計190億ドル(約2兆8200億円)。サウジアラビアはこれまでに大型プロジェクトの建設に巨額な資金を投じてきたが、現在は原油価格の下落と財政赤字に直面している。
ネオムの広報担当者は、「ネオムと現地の大会組織委員会は、OCAおよびサウジアラビア・オリンピック・パラリンピック委員会と緊密に連携している」と述べ、詳細な質問についてはOCAに問い合わせるよう求められた。OCAからのコメントは得られていない。
KSOC当局者によれば、韓国政府には報告したが、現時点で決定は下されていない。OCAが中国側にも打診したかどうかは明らかでなく、最終的な結果も分かっていない。
原題:Saudi Arabia, Olympic Council Weigh Moving Asian Winter Games
(抜粋)