BOXを完全包囲! 絶対王者を脅かす最新スーパーハイトワゴンに刮目せよ
/ コラム
各メーカーが自信作を送り込み、激しい争いが繰り広げられている軽スーパーハイトワゴン市場。その頂点にいるのはご存じN-BOXだが、新型ルークスの登場によりマーケットにはなんらかの動きがあるはずだ。そこで今回は、各社のスーパーハイトワゴンを再確認しよう。
文:木内一行/写真:スズキ、ダイハツ、日産、ホンダ
【画像ギャラリー】最新スーパーハイトワゴンの猛者たちをもっと見る(11枚)シンプルな造形美を基本に、家電製品に共通する丸穴デザインを取り入れることで身近さを表現したエクステリア。丸形のヘッドライトは人間の瞳らしさを感じられる造形にし、親しみやすさを表現したという
登録車を含めた新車販売台数では4年連続、軽自動車に限れば2015年から10年連続で販売台数第1位に輝いているN-BOX。今や軽自動車だけでなく、日本を代表する人気車種にまで成長したわけだが、現行モデルにあたる3代目は2023年10月にデビューした。
基本的には先代の正常進化版だが、従来の軽乗用車最大級の室内空間を受け継ぎつつ、ミリ単位で各部の形状を適正化。さまざまな工夫も施し、さらなるスペースを手に入れることができた。
また、いっそう見通しが良く運転しやすい視界を実現。合わせて、乗り物酔いをしづらくする工夫も取り入れることで、ドライバーだけでなく同乗者にも優しい空間に仕立てられている。
エクステリアは、N-BOXらしいボックスフォルムをシンプルかつ上質に磨き上げ、親しみやすさを追求。ドレスアップグレードのカスタムは、品格や高性能、精悍さを表現したという。
パワートレインは先代からのキャリーオーバーで、ターボと自然吸気の2種をラインナップ。ただし、ともに細部の見直しや制御を適正化することで先代以上に上質かつスムーズで、扱いやすい特性を実現したという。
そして、先進の運転支援システム「ホンダセンシング」を全車に標準装備したことは大きな魅力だし、軽自動車として初めて車載通信モジュール「ホンダコネクト」を搭載したこともニュース。これらにより、安全性がいっそう高まり、より便利になったのである。
車名の由来となる「Roomy×Max」をコンセプトに、軽自動車規格のなかで最大限の大きさを表現したエクステリア。各所にデザインモチーフとなる「かどまる四角」を取り入れ、遊び心を演出している。写真はハイウェイスター
スズキ・パレットのOEMとしてスタートしたルークス。しかし、2代目(デイズルークス)以降は三菱との合弁会社「NMKV」でマネジメントした独自モデルとなり、兄弟車として三菱はeKスペース/デリカミニをラインナップ。4代目となる新型でもこの関係性は同じだ。
5年半ぶりにモデルチェンジした新型ルークスは、プラットフォームこそ先代の熟成版だが、その雰囲気は大きく変わった。
軽規格のなかで最大限の大きさを表現したというエクステリアは、各所に「かどまる四角」をモチーフにしたデザインを取り入れ、モダンな雰囲気とともに親しみやすさや遊び心を表現。中心グレードとなるハイウェイスターは、これまでのような押し出し感やギラギラ感よりも、クールさやボクシーなイメージが強まった。
インテリアも同様で、精悍なイメージから一転、明るいカラーで開放感のある空間に路線変更している。また、先代よりもルーフを10mm延長しつつフロントウィンドウを立てたことで、クラストップの室内長を実現。後席ニールームや荷室最大長もクラストップの寸法だ。
エンジンは自然吸気とターボの2種。ともに先代からのキャリーオーバーだが、マイルドハイブリッドは廃止。これはある意味注目のポイントである。
価格は標準グレードが167.2万円〜、ハイウェイスターは191.9万円〜。この新型ルークスはN-BOXを脅かし、日産再建の急先鋒となるのだろうか。