NY連銀総裁、6月や7月では明確な見通し得るのは困難-動向注視

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、米金融当局が経済見通しをより正確に把握するには数カ月を要する可能性があるとの認識を示した。

  ウィリアムズ総裁は19日、全米抵当貸付銀行協会(MBA)が主催したイベントで、「何が起きているのかをわれわれが理解するのは6月でも7月でもないだろう」と発言。「データを集め、状況をより良く理解し、動向を注視するプロセスになる」と述べた。

  総裁はトランプ政権の関税措置やその他の政策が米経済に及ぼす影響が予測困難な中、不確実性が政策当局だけでなく、企業と家計も阻害しているとの見解をあらためて強調した。

  また、他の多くの米金融当局者と同様に、当局は時間をかけて今後のデータを見極めることが可能だと指摘。インフレは減速し、経済は完全雇用に近い状態にあるとした上で、債務の滞納や消費者の支出意欲を自身として注意深く見ていると述べた。

  現行の米金融政策については「やや景気抑制的」であり、良い位置にあるとの見解を示した。

  アトランタ連銀のボスティック総裁も19日に同様のトーンの発言をし、当面は金利を動かす考えがないことをうかがわせた。

  ボスティック総裁はCNBCとのインタビューで、「経済は非常に流動的で、政策も流動的だ。不確実性が非常に高い」と指摘。「事態の落ち着き先が見えてくるまでに3-6カ月は待つ必要があるだろう」と述べた。

  物価の安定と最大雇用の達成という連邦準備制度理事会(FRB)の使命や、将来的な物価に関する消費者の見方に触れ、「期待インフレが懸念すべき方向へ動いているため、インフレ面について大変心配している」と発言。

  状況の見極めに時間がかかるため、今年の利下げは1回にとどまるとの見方を強めていると述べた。

原題:Williams Says Fed Needs Beyond June, July to Get Clearer OutlookFed’s Bostic Flags Inflation Concerns, Sees One Cut This Year(抜粋)

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