参院選で台風の目となりそうなのが参政党だという 『文春』は支持される理由も 花田紀凱 花田紀凱の週刊誌ウォッチング(1034)

参院選候補者の演説に集まった聴衆=3日午後、大阪市北区(山田耕一撮影、一部画像処理しています)

参院選公示日(3日)が発売日とあって『週刊文春』『週刊新潮』(ともに7月10日号)が早速、当落予測。

『文春』は「全選挙区リスト付き」で「一人区11勝21敗で自民壊滅 参院選7・20完全予測」。

『新潮』は「混迷の7・20参院選注目候補12人を占う」。こちらは「当落天気予報付き」。

「注目候補12人」より、読者が今、知りたいのは、やはり「全選挙区リスト」付きの「完全予測」の方だろう。現在の『文春』と『新潮』の力の差が出た。

で、久保田正志・政治広報システム研究所代表と『文春』取材班による全選挙区情勢分析。

<自民党は現有(改選数)から十七議席減の三十五議席。公明党も現有から三議席減の十一議席となる。自公あわせて四十六議席と、参院でも自公が過半数を割る衝撃の結果>

久保田氏の解説。

<「今の国民が求めているのは刷新感ですが、与党の候補者にはそれが全くない」>

台風の目となりそうなのが神谷宗幣代表率いる「参政党」だという。

<「参政党が有権者から支持を集める理由は二つあります。党の打ち出す政策が明確で、しかもブレないこと。そして候補者が、税理士や弁護士などの士業や元公務員など、社会的信用度が高い人たちであることです。加えて参政党は全国に二百八十七の支部を持ち、百四十人超の地方議員を擁する。全国に組織が根付いているのです」>

予測は選挙区、比例区合わせて4議席だが、比例であと2、3議席取る可能性もあるという。

『新潮』、「注目候補者天気予報」はほとんど意味のないお遊び。

『新潮』では、もう一本。「銃撃事件から3年 安倍晋三元首相が存命なら日本外交はどうなっていたか」。

石破茂首相に熟読を勧める。もはや、手遅れか。

これも両誌競合の「女子児童盗撮教師グループ」の事件。『文春』の「変態教師グループ『鬼畜たちの履歴書』」には言葉もない。

『ニューズウィーク日本版』(7・8)は「トランプvsイラン」の大特集12ページ。同誌だから、むろん、トランプ米大統領に批判的だが、必読。

(月刊『Hanada』編集長)

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