トランプ大統領がエヌビディアなど株式取引、息子エリックが反論「利益相反の指摘は明白な誤り」(Forbes JAPAN)
ドナルド・トランプ大統領の息子エリック・トランプは米国時間5月15日、父親を擁護した。大統領がここ数カ月で数百万ドル規模の株式取引を行い、その多くの企業とトランプ政権が関わりを持っていたことが精査を受けたものだ。エリックは、一家の証券取引が利益相反に当たるという指摘について「明白に誤り」だと主張した。 14日に公開された大統領の1月から3月までの証券取引を記載した財務開示によると、トランプはエヌビディア、パランティア、メタ、パラマウント・スカイダンスなどの株式を売買していた。 エリック・トランプは15日、エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党、マサチューセッツ州)の投稿に反応した。同議員は、大統領が最近の中国訪問にエヌビディアのジェンスン・フアンCEOを同行させ、中国政府向けにAIチップを販売する支援を図ったように見えると批判していた。その間、大統領がエヌビディア株を保有していた可能性があるという。 これに対してエリックは、トランプ一家の資産はブラインド・トラスト(白紙委任信託)を通じて完全に管理され、保有する証券は市場インデックスに組み込まれているとXに投稿。「トランプ一家の誰かの裁量で個別株が売買されていると示唆するのは、嘘であり、明白に誤りだ」と書き込んだ。 ロイターの集計によると、トランプの財務開示は、2026年第1四半期に2億2000万ドル(約348億円。1ドル=158円換算)から7億5000万ドル(約1185億円)相当の証券取引を行ったことを示している。ただし、誰が取引を行ったのか、証券の正確な種類、1000ドル未満の取引については開示されていない。 トランプは複数の個別取引をめぐって物議を醸している。例えば、政権がエヌビディアの対中チップ販売を承認する直前にエヌビディア株を購入したことや、パランティアが国土安全保障省と10億ドル(約1580億円)の契約を締結した時期にパランティア株を購入したことなどである。 フォーブスの推計によると、15日午後時点のトランプの純資産は62億ドル(約9796億円)で、これには証券などの流動資産が推定13億ドル(約2054億円)含まれる。 ■トランプはどの企業の株を取引したのか 開示によれば、トランプは2026年第1四半期だけで数千件の株式取引を行った。トランプの最大規模の購入(100万ドルから500万ドル相当。日本円で約1億6000万円から約7億9000万円相当)は以下の通りだ。 ・エヌビディア ・アドビ ・オラクル ・マイクロソフト ・プロクター・アンド・ギャンブル ・テキサス・インスツルメンツ ・モトローラ ・アマゾン ・コストコ ・デル ・ボーイング ・ウーバー ・アップル 保有銘柄にはこのほか、ディズニー、パラマウント・スカイダンス、ワーナー・ブラザース、ドアダッシュ、チポトレ、ピンタレスト、アルファベット、フィリップ・モリス、アルトリア、ハネウェル、イーベイ、ホーム・デポ、ウォルマート、メタなど数多くの企業が含まれる。 14日の開示でトランプの証券取引が明らかになった一方、近く別の開示が公表され、大統領のその他の金融資産の詳細が示される予定だ。トランプは暗号資産の保有、ライセンス契約、その他の事業活動を通じてホワイトハウス在任中も資産を増やし続けている。資産はブラインド・トラストで管理されているが、大統領は自らの事業から資産を切り離しておらず、ホワイトハウスでの時間から利益を得ているとして論争になっている。 ■トランプ・オーガニゼーションの見解 トランプ・オーガニゼーションの広報担当者は14日、ロイターに対し、大統領の株式保有は「第三者の金融機関が独立して運用し、すべての投資判断について単独かつ排他的な権限を持つ、完全裁量の口座を通じてのみ維持されている」と述べた。トランプ、家族、トランプ・オーガニゼーションはいずれも「特定の投資の選定、指示、承認においていかなる役割も果たしていない」と主張。「取引活動について事前通知を受けることはなく、いかなる種類の投資判断やポートフォリオ管理についても関与しない」としている。 ■大統領の株式保有は禁止されるのか 大統領を含む議員による株式取引を禁止する法案が議会に提出されている。しかし、同法案は2025年、上院委員会を通過した後に停滞しており、共和党が多数を占める議会で可決される見込みは低い。 AP通信によれば、2025年夏に法案が議論された際、共和党は大統領を適用除外にすることを試みたが、ジョシュ・ホーリー上院議員(共和党、ミズーリ州)は民主党とともに投票し、法案における大統領の株取引禁止を維持した。これを受けトランプは激しく反発し、ホーリーを非難してトゥルース・ソーシャルに「前例のない成功を収めた大統領が、2流の上院議員の『気まぐれ』のせいで標的にされるのを、本物の共和党員が望んでいるとは思わない」と書き込んだ。
Alison Durkee