【植木靖男の相場展望】 ─PEGレシオ急浮上まで強気を維持
株式評論家 植木靖男
東京株式市場は多少、買い疲れもうかがえるが、引き続き基本観は不変だ。注目された日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)との差異は、ここへきて薄れつつあるかにみえる。強いて挙げれば、AI(人工知能)・ 半導体関連株に牽引されて先行した日経平均株価は戻り売りで勢いを失いつつあるが、TOPIXは出遅れ感から結構強気である。TOPIXは2月27日につけた史上最高値を目前に、いつ抜くか間を計っているかのようだ。
いずれにしても高値圏でもみ合う日本の株価は、米国市場を横目に睨んでの展開が続く。よりはっきり言えば、世界の株価自体が米国株次第という状況に置かれている。 わが国の株価はバブルへの道を走っているが、前回の平成バブルが国内固有の状況下にあったのに対し、今回は米国株に沿ったバブルという違いがある。その米国株はいつ高値をつけるのか。それが日本株のバブルの終焉となるのではないか。 いずれにしても、現在の世界の株式市場は米国株睨みの構図であり、AI・半導体関連株が市場の主役となっている。一方、平成バブルでは土地が主役であった。急騰する土地の価格をベースに「Qレシオ」なる指標を株価上昇の後ろ盾として活用した。 先般、日本経済新聞(5月8日付)が「不動産価格の上昇で上場企業のオフィスや物流施設の時価が膨らみ、含み益が20兆円規模になったことがわかった」と報じた。平成バブル時ならばこの記事で株価は急騰したはずだが、市場の反応は鈍い。つまり、このバブルの主役は不動産ではないのだ。 繰り返しとなるが、今回の主役はAI・半導体関連である。しかも、以前にも触れた米国株において重視される株価指標「PEGレシオ」でみて、「割高」と判断されるまでまだ十分に余裕がある。この指標が市場で大きく取りあげられるようになるまでは強気姿勢を貫きたい。 ●中東情勢が再クローズアップ、目先狙うべき銘柄は? 米中首脳会談がいわば型通りで終わり、主要企業の決算発表も一巡となれば、再び中東情勢がクローズアップされてくる。 米国・イスラエルとイランの紛争は未だ終息の糸口が見えない。米国は落としどころをどうするつもりなのか。投資家としては冷静に米国市場の動向を見極めたい。 さて、こうした不透明さが拭えぬ中で銘柄を選択せざるを得ないが、主役はどこまでもAI・半導体関連株であり、これらセクター内で循環買いが続くことになろう。目先的には、まず勢いがあるのがソニーグループ <6758> [東証P]だ。好業績を維持し、27年3月期は最高益更新を見込む。台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>との提携は大きな材料だ。また、東京海上ホールディングス <8766> [東証P]もおもしろそうだ。かつての商社株の展開に似ている。
イラン戦争が簡単には終息しない場合、原油価格の高騰が続く中で、石油関連株が投機の対象となる可能性も否定できない。出光興産 <5019> [東証P]に注目したい。
このほか、Terra Drone <278A> [東証G] からも目が離せない。株価は急調整から切り返しの態勢にある。飛び出したらおもしろい。
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