TSMC、第2四半期は過去最高益 AI需要寄与し予想上回る
ただ同社は、米国の関税措置が将来の利益に影響を及ぼす可能性があると警告。関税の影響が出る場合は、恐らく第4・四半期以降になるとの見方を示した。
また、人工知能(AI)の需要が一段と拡大していると指摘。第3・四半期も大幅な増収を見込んだ。通期の売上高見通しも上方修正した。
ただ、第4・四半期は状況が変化する可能性がある。同CEOは「当社は関税の潜在的な影響や、他の多くの不確実性を考慮に入れており、より保守的になっている」とした上で、現時点では顧客の行動に変化は見られないと述べた。
第2・四半期の純利益は3983億台湾ドル(135億3000万ドル)だった。AIアプリケーション向け半導体需要の急増が寄与し、5四半期連続で2桁の増益を達成した。
LSEGスマートエスティメーツによるアナリスト20人の予想は3779億台湾ドルだった。
第3・四半期の売上高については、318─330億ドルと予想。前年同期の235億ドル、前四半期の300億ドルを上回るとの見通しを示した。最大40%の増収となる。
通期の売上高見通しも上方修正し、ドル建てで約30%の増収を予想した。従来予想は「20%台半ばに近い水準」だった。
ただ、台湾ドルが今年に入って対ドルで約12%上昇しているため、利益率が低下すると指摘。第3・四半期の粗利益率が55.5─57.5%と、第2・四半期の58.6%から低下すると予想した。米国と日本の新工場への投資拡大も重しとなっている。熊本第2工場については、年内に着工する予定だとした。
今年の設備投資計画は380─420億ドルを維持。黄仁昭・最高財務責任者(CFO)は、今後、設備投資が突然大幅に減少する可能性は非常に低いと述べた。
TSMCの台湾上場株は昨年約80%上昇したが、関税導入や台湾ドル高への懸念から、年初来では5%の上昇にとどまっている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab