北海道・川湯温泉、再生計画どうなる?星野リゾートが撤退の方針を町に伝える 地元困惑 町長「諦めない」
2025年 4月28日 18:23 掲載
星野リゾートが北海道弟子屈町の川湯温泉での高級旅館整備から撤退する方針を町に伝えていたことが明らかになりました。地元には困惑が広がっています。 高橋海斗記者) 「ゴールデンウィークですが人の姿は全くありません、立ち並ぶ店はシャッターが閉まっています。こちらの旅館も2年半前から休業しています」。 弟子屈町の観光地・川湯温泉。ピーク時の1990年度にはおよそ136万人が訪れましたが、2023年度はおよそ56万人に落ち込んでいます。30年ほど前には20軒近くあったホテルや旅館もいまは7軒にまで減少しています。こうしたなか…
星野リゾート 星野佳路代表) 「地域全体がよくなっていくアプローチをさせていただきたい。お湯の川に浸かるというか、カルデラの底にいるみたいな感じを味わえるような場所」。 おととし発表された川湯温泉「再生」のプロジェクト。弟子屈町、環境省が策定した計画に星野リゾートが参加することになりました。パースコンセプトは「カルデラの森の温泉街」。計画では温泉水の流れる川に入浴できる「ラグーン」や、川沿いに屋台が並ぶ「川湯横丁」が整備されることになっています。
高橋記者) 「ホテルがあったこの土地ですがいまは更地になっています」。 2026年にも開業する予定だった星野リゾートの高級旅館。建設予定地だった更地。国と町が30億円以上負担して廃業したホテルを解体、整備しました。 今月22日、星野リゾートの新規事業に関する星野社長の会見でも、川湯温泉の高級旅館はしっかり存在していました。ところが・・・ 弟子屈町 徳永哲雄町長) 「やめるとまでははっきり言っていないけど、難色を示すような言葉のつづり」。 今月になって、星野リゾートからメールで建設を取りやめる方針が町に伝えられたというのです。町は赤字のリスクを背負いきれないため、ラグーンなどの施設運営を星野リゾートに求めていました。星野側はいったん受け入れていたものの、今回、難色を示してきたということです。 弟子屈町 徳永哲雄町長) 「理由としてはやっぱり(星野リゾートが)自分の思ったようにならないということではないのかなとは思うけども」。 再開発の目玉だった星野リゾート。突然の撤退方針通達に地元からは落胆の声も広がっています。 弟子屈町民 「当然期待していた」。 「働く従業員が増えるとか、町の活性化には間違いなくつながるはず」。 地元のすし店) 「リゾートを建てようとしていたので、1泊ではなく2泊、3泊というときに外で食事をしてもらったり、飲んでもらったりというのはあった」。 星野リゾートはこれまでのHTBの取材に対し、「現時点で話せることはない」としています。 弟子屈町 徳永哲雄町長) 「星野リゾートさんがダメになった時には、また別角度でいろんな意見もらいながら進めていかなきならない。ここで(計画を)諦めるわけにはいかないので、せっかくあそこまでやったところをきちっとやっていきたい」。 来月1日、弟子屈町と環境省、星野リゾートによる三者会議が行われ、星野側から撤退について説明がある見通しです。
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