FX/為替「ドル/円今日の予想」 外為どっとコム トゥデイ 2025年12月9日号
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年12月9日8時30分執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
目次
▼8日(月)の為替相場 (1):日本実質賃金10カ月連続マイナス (2):中国貿易収支 黒字額拡大(3):ECB専務理事発言 (4):青森県東方沖地震発生(5):NY連銀消費者調査
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:ドルは本日も堅調を維持しそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
8日(月)の為替相場
期間:8日(月)午前7時00分~9日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本実質賃金10カ月連続マイナス
日本10月毎月勤労統計で現金給与総額は前年比+2.6%と市場予想(+2.2%)以上に前月(+1.9%)から伸びが拡大した。ただ、物価上昇の影響を除いた実質賃金は前年比-0.7%と10カ月連続でマイナスとなった。その後発表された、日本7-9月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比年率-2.3%と予想(-2.0%)を下回り、速報値(-1.8%)から下方修正された。個人消費は+0.2%と速報値(+0.1%)から上方修正されたものの、企業の設備投資が-0.2%へ下方修正された(速報値+1.0%)。
(2):中国貿易収支 黒字額拡大
中国11月貿易収支は1116.8億ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(1031.0億ドル)や前月(900.7億ドル)を上回った。輸出が前年比+5.9%と市場予想(+4.0%)を上回った一方で、輸入は+1.9%と予想(+3.0%)を下回った。
(3):ECB専務理事発言
欧州中銀(ECB)のシュナーベル専務理事は、金利は現在の水準が当面は適切だろうとしつつ、「個人消費や企業投資、防衛やインフラへの政府支出の急増は景気を押し上げるだろう」として、市場が次の金利の動きが利上げになると予想していることに対して「そうした見通しに違和感はない」と語った。
(4):青森県東方沖地震発生
青森県東方沖で震度6強の地震が発生。青森県太平洋沿岸と北海道中部、岩手県に津波注意報が発令されたことでリスク回避の円買いがやや先行したが、一巡後は円売りに傾いた。
(5):NY連銀消費者調査
米11月NY連銀消費者調査の1年先期待インフレ率は+3.20%と前月(+3.24%)から低下し、8月以来の水準となった。また失業する可能性があるとの回答は13.76%で前月(14.03%)から低下した。
8日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:ドルは本日も堅調を維持しそう
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%上昇。今週9日から10日にかけて行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に米長期金利が上昇する中でドルが買われた一方、青森県東方沖で強い地震が発生したことを受けて円が売られたため一時155.99円前後まで上昇した。FOMCについては、今回の25bp(0.25%ポイント)利下げは濃厚なものの、インフレの高止まりなどを背景にさらなる利下げには慎重な姿勢を示すとの見方が広がっている。9割方織り込んだ今回の利下げよりも、市場が将来の利下げペースに強い関心を寄せているのは明らかだろう。FOMCの「タカ派的な利下げ」を睨んでドルは本日も堅調を維持しそうだ。ただ、FOMC前に発表される数少ない雇用に関するデータである本日の米10月JOLTS求人件数は前回の8月分から減少する見通しだ(9月分は米政府機関一部閉鎖の影響から発表なし)。ドルの重しになる可能性もあることから結果が注目されよう。
注目の経済指標:RBA政策金利
注目のイベント:植田日銀総裁発言
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1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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