OpenAIとAMDが半導体契約、数百億ドル規模-AIインフラの構築で

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とOpenAIは6日、人工知能(AI)インフラ構築に関する契約を締結したと発表した。AMDによると、この契約により数百億ドル規模の新たな収益が見込まれる。

  発表によると、OpenAIは、今後数年にわたり合計6ギガワット規模のAMD製画像処理半導体(GPU)を導入する最終契約を締結した。AMDはオープンAIに対し、一定の成果目標の達成に応じて権利が確定する最大1億6000万株分の新株予約権を付与した。この目標にはAMD株価の上昇も含まれており、将来的な権利行使の一部には、1株当たり600ドルとなることに連動する条件もある。AMD株は、3日の終値時点で164.67ドルだった。

  発表を受け、AMD株は6日の時間外取引で一時28%高の211.18ドルに達した。

  OpenAIは大規模データセンターを構築し、計算能力の拡充を進めている。テック業界は、膨大な電力を消費するAIツールへの急激な需要が今後も衰えないとみて、かつてない規模の賭けに出ている。エヌビディアは9月、最大1000億ドル(約15兆円)を投じ、OpenAIのために少なくとも10ギガワットの電力供給能力を持つAIインフラと新たなデータセンターを構築すると発表した。これはニューヨーク市のピーク時の電力需要に匹敵する規模だ。

  OpenAIがより高度なAIシステムの構築・運用に必要となる半導体やデータセンターの膨大な費用をどのように賄うのか、現時点では明らかになっていない。サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は2カ月ほど前に、AIサービスに必要だと自身が考えるコンピューティング資源を確保するために、「兆単位」のインフラ投資を行う意向を示唆。この実現に向け、「新しいタイプの」金融手法の開発に同社として取り組んでいるとアルトマン氏は説明したが、詳細には触れなかった。

  AMDは、OpenAIや大規模データセンターを運営する他の企業がAI能力拡張に数十億ドルを投じる中、アクセラレーター・チップ市場でエヌビディアに大きく後れを取っている。AMDの今年のAI向けGPU収益は、65億5000万ドルに達する見込みだ。同社は、今回のOpenAIとの提携が来年からの有力な収益源となり、2027年にはさらに勢いが加速すると予想している。

  AMDの経営陣は、今回の提携が、AMDの技術の採用拡大の足がかりにもなる見通しで、この分野での売上高を将来的に1000億ドル超に押し上げる可能性があるとしている。ただし、その達成時期については明らかにしていない。

OpenAIのサム・アルトマンCEO(左)とAMDのリサ・スーCEO(5月、ワシントンで)

原題:OpenAI Inks AMD Chips Deal Worth Tens of Billions of Dollars (1)AMD Shares Soar on OpenAI Deal Worth Tens of Billions of Dollars (抜粋)

— 取材協力 Shirin Ghaffary

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