フランスも輸入少額小包に関税導入へ-SHEINなど中国ネット通販念頭

William Horobin

  • 米国が5月から関税引き上げ-欧州は中国製商品の大量流入を懸念
  • フランスへのネット経由の小包、2024年に倍増―9割が中国から

フランスは、Temu(テム)やSHEIN(シーイン)といった中国のネット通販業者からの小包に、手数料を課す措置を進めようとしている。米国による関税導入を受け、中国からの製品流入が加速するリスクを抑制する狙いがある。

  フランスのドモンシャラン予算相は29日、パリのシャルル・ドゴール空港近郊の荷物仕分けセンターを訪問した際、安価な輸入品に取扱手数料を課す暫定措置を、欧州全体の関税制度改革に先立ち導入する可能性があると述べた。

  この措置は、トランプ大統領が少額小包への関税を引き上げた動きに呼応している。SHEINやTemuの米国消費者向けの商品コストは、大幅に増加している。欧州の政策当局者は、米国の措置が、安価な衣料品や商品のさらなる欧州流入につながる可能性を懸念している。現在、欧州では、150ユーロ(約2万4000円)未満の小包には関税が課されていない。

  デジタルプラットフォーム経由でフランスに輸出される小包の量は2024年に前年の2倍の8億個に達し、そのうち約90%が中国からだ。トランプ氏の関税以前から急増している。

  欧州連合(EU)は既に、150ユーロ未満の小包に対する関税免除の廃止を提案し、関税同盟の改革を実施すると表明している。ただ、この変更は2027-28年まで実施されない見込みだ。

  フランスはそれまでの間、他の欧州諸国と手数料の取り扱いについて調整を図る方針だ。他の主要輸入国がパリの措置に追随しない場合、EU単一市場への輸入業者は、フランスの措置を回避し輸入を行う可能性もある。

  ドモンシャラン氏は、この案についてオランダ政府と既に協議済みだと述べ、2026年までの暫定措置の実施に向け、今後数週間以内にドイツの新政権と協議する予定だと述べた。

原題:France Seeks Fees on Small Parcels After Flows From China Surge(抜粋)

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