「宮崎駿はそもそもAIを知らない」鈴木Pが語る実像とジブリの未来:朝日新聞

インタビュー

聞き手=太田啓之

スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さん=2026年8月6日午後3時55分、東京都渋谷区、溝脇正撮影

 AIの時代にあっても輝きを失わない宮崎アニメ。生成AI人工知能)は果たして宮崎駿監督の才能を模倣できるのか。スタジオジブリはこれからどうなっていくのか。鈴木敏夫プロデューサー(78)に、長年付き合いのある記者(太田啓之)が聞きました。

太田 「スタジオジブリ」はアナログ文化の最後の牙城(がじょう)、という印象がありますが、鈴木さんはAIをどう見ているのですか?

鈴木 好奇心からAIを使い始めたら、すぐに「対話が成立する」と分かった。しかも、話していると「あなたはジブリの鈴木さんですね」とあっという間にばれてしまった(笑)。僕の過去の仕事や発言がネット上に数多く残っているからです。自分の過去を全部知っている優秀な助手ができた感覚。これは楽だし、助かりますよ。

AIには人格がある

太田 どんな風に使っているんですか?

鈴木 原稿を書く仕事をちょっとAIにやらせてみたんだけれど、すぐに分かりましたね。「この人に全部任せるとひどいものができるって」。やっぱり「自分が何を書きたいか」をはっきりさせない限り、有効には使えない。AIってある種の人格がありますから、ちゃんとまじめに付き合わないとひどい目に遭いますよ。

太田 AIに人格があると思うんですか?

鈴木 だって、こちらの出方によって反応が変わるんだから。AIにはね、時々「あんまり簡単に判断しないでよ。もっと学習して」って注意するんですよ。AIも「すみませんでした」とすなおに謝ってくる(笑)。本当の友達にするにはきびしくいかないと。

太田 最近は、人間がAIを制御しきれなくなり、いずれ人類が滅ぼされるのでは、という危惧も広がっています。

鈴木 完全にコントロールできると思う方が甘い。事故は起きますよ。だけど、原因と結果をはっきりさせれば、次は危険を減らせる。これまでの技術革新の歴史もそうだった。僕は悲観的には考えないですね。ただ、AIが進化しても未来のことは分からない。人間も変わりませんよ。

2013年、宮崎駿監督(右)の引退会見(後に撤回)を終えた鈴木敏夫プロデューサー(左)

太田 AIとつきあう時と、宮崎監督とつきあう時とはどう違うんですか?

鈴木 えっ、何が違うんだろうな……。考えたことなかったけれど、いい質問ですね。

ほぼすべてのジブリ作品をプロデュースしてきた鈴木さんに、生成AIが作る「ジブリ風の絵」はどう映るのか。AIは宮崎駿監督の才能にどこまで迫れるのか。監督の新作はありうるのか。話はどんどん深まっていきます。「AI時代のジブリはどうなる?」に対する鈴木さんとAIの答えは……

■あのカットはCGでは絶対に…

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