トランプ氏「完全に跡形もない」イラン核施設…黒煙上がる ホルムズ海峡封鎖を承認
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アメリカがイランの核施設を攻撃、トランプ大統領は「完全に破壊された」と発表しました。攻撃の作戦名は「真夜中のハンマー」でした。
空爆の数時間後…イラン、イスラエルへ報復攻撃
イランの核施設・フォルドウの近くで立ち上る黒い煙。
19日の会見で明かされた、アメリカ軍によるイラン核施設攻撃の全容。
アメリカの空爆から数時間後、イランはイスラエルへ報復攻撃を開始しました。
ホルムズ海峡封鎖を承認 核施設の最新映像は?
アメリカがイランの核施設を攻撃したことを受けて、イランの国会が原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖を承認したと報じられています。世界経済への影響が懸念されます。
日本時間22日、イランの首都・テヘランの広場を埋め尽くす大群衆。人びとは手を挙げ、怒号が飛び交います。イランの市民たちは、アメリカやイスラエルに対して、怒りを爆発させていました。
日本時間の23日朝、イランの核施設を攻撃したB2爆撃機がアメリカ・ミズーリ州のアメリカ軍基地に帰還している様子。基地の上空を旋回したのち、少なくとも7機が着陸したといいます。
アメリカ軍による攻撃とみられる映像では、イラン中部・核施設があるイスファハンで、画面が赤く光った後、爆発音が複数回鳴り響きました。
衛星写真を見ると、攻撃後のイスファハンの核施設は黒く焦げています。アメリカ軍が地下貫通弾「バンカーバスター」などを使い、イラン国内にある3カ所の核施設を攻撃しました。
アメリカ軍が攻撃した後の、フォルドウの核施設周辺を写した衛星写真を見ると、「バンカーバスター」が撃ち込まれた後なのか、攻撃前の写真と比べると、地面に複数の穴が空いてます。さらに、ナタンズの核施設でも、攻撃後の地面に穴が開いた場所があることが分かります。
アメリカ軍の攻撃に対し、イランもイスラエルへ直ちに報復攻撃を開始。イスラエルの上空をミサイルが通ると空襲警報が鳴り、屋内へ避難する市民たち。
イスラエルで最大の商業都市・テルアビブでは、空爆により外壁が吹き飛ばされ、複数の建物の骨組みがむき出しになりました。
破壊された建物では救助活動が進められる一方で、大きなスーツケースを引いて避難する人の姿も…。
イスラエル中部で撮影された映像では、イランのミサイルによって大きく崩れたアパートに、警察の救助隊が入り、生存者が居ないか呼び掛けています。ドアをこじ開けて進むと、高齢の女性を発見。奇跡的に助け出されました。
イスラエル北部の町ハイファでも、イランからの空爆で、建物の周りにはがれきが散乱し、地面から水が噴き出していました。
22日にホワイトハウスが公開した写真では、作戦指令室でトレードマークの赤い帽子をかぶったトランプ大統領。今回の作戦について指揮している様子です。
13日に始まったイスラエルによるイランへの攻撃。同日の夜、イランからの報復攻撃以降、両国による攻撃の応酬が始まりました。
イスラエルの後ろ盾であるアメリカがいつ軍事介入するのか。世界中が注視するなか、19日にレビット報道官は、トランプ大統領の声明をこのように読み上げました。
トランプ大統領はアメリカ軍によるイランへの軍事介入を実施するかどうか、「2週間以内に決断を下す」としていましたが、そのわずか2日後の軍事介入。アメリカの攻撃に、イスラエルのネタニヤフ首相は賛辞を贈りました。
一方、攻撃を受けたイラン側は、アメリカを強く非難しました。
イラン革命防衛隊も「後悔することを覚悟すべきだ」とアメリカへの報復攻撃を示唆しました。
イランの国営メディアでは、核施設への被害は少なかったと主張しています。
19日に撮影されたフォルドウの核施設を写した衛星写真を見ると、施設の入り口付近には、複数のトラックやブルドーザーが確認できます。次の日には、その車列がいなくなっているのが分かります。
イランメディアは、攻撃を受けた3つの核施設では、濃縮ウランを事前に別の場所に移していたと報道。
また、IAEA(国際原子力機関)によると、外部への放射能漏れは今のところ確認されていないといいます。
そして、今回のアメリカ軍の攻撃に対し、イランはイスラエルに報復を開始。イスラエル軍はイランからの弾道ミサイルの発射を確認したとして、国民にシェルターなどへの避難を呼び掛けました。
アメリカの核施設攻撃への報復として、イランから20発以上のミサイルが発射され、一部がテルアビブや北部のハイファに着弾。これまでに少なくとも86人がけがをしたということです。
また、アメリカの軍事介入を受けて、イランの国会は、原油輸送の要衝「ホルムズ海峡」の封鎖を承認したと現地のメディアが報じました。
さらに、中東の周辺国にも新たな動きがありました。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が参戦を表明しました。
中東での軍事的緊張が高まるなか、日本政府は、イランにいる日本人とその家族合わせて87人を退避させていますが、今も約200人が滞在しているため、石破茂総理大臣は安全確保に向けた措置を指示しました。
CNNによると、トランプ大統領は核施設への攻撃によりイラン側が交渉に戻ることを期待していて、今のところアメリカ軍のイラン国内での追加攻撃は計画されていないと報じています。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年6月23日放送分より)