最近見つかった「失われた文明」3選。古代都市ってどんな感じ?

Image: Municipality of Alkmaar

2025年2月23日の記事を編集して再掲載しています。

知れば知るほど奥深い。

「遺跡」と聞くとあまりに壮大で程遠い。でも、詳しく見てみると、確かに生活を営んでいたんだなあと少しは身近に感じられるかも。そこで今回は、2025年に見つかった遺跡を3つ紹介します。

マヤ文明の新たな遺跡を発見

Image: Auld-Thomas et al., Antiquity 2024球戯場や貯水池、住居などが見られるLiDAR画像

メキシコのユカタン半島で見つかったのは、マヤ文明の大規模な遺跡。見つかった建造物の数は、なんと6,674棟。その中には、中央アメリカ各地で発見されたようなピラミッドなどもあったのだとか。

それを見つけたのは、現代考古学の定番となっている測量技術「LiDAR」を用いた調査。彼らの研究成果を詳述した論文は、Antiquityに掲載されました。

Image: Auld-Thomas et al., Antiquity 2024これまでに知られていなかった、メキシコにあるマヤ文明の構造物のLiDAR画像

今回の発見に役立ったのは、2013年に同地域をLiDAR調査したときの地図。チームはこの地図を解析し、まだ調べられていなかったカンペチェのこの地域で多くの建造物を発見したことは、期待を遥かに上回る成果となりました。

田舎と小規模な集落を見つけただけではありません。その地域唯一の主要道路のすぐ隣にピラミッドがある大都市も、人々が長年にわたって遺跡に囲まれ農業に邁進していた町の近くで見つけました。

データが網羅したのはたった50平方マイル(約129平方km)ほどの区域でしたが、その範囲内には古代の建造物がひしめいていました。研究者たちはLiDARによる画像から、球戯場や貯水池などマヤ文明の都市を構成する特有の構造物も確認できたとか。

都市が丸ごとジャングルに覆われてしまうメソアメリカ文明の考古学において、非常に役立つLiDARの活躍は、元記事で詳しく紹介しています。

詳しくはこちら↓

3800年前の火山噴火跡で見つかった「人間の足跡」

Image: Superintendence of Archaeology, Fine Arts and Landscape of Salerno and Avellino

イタリアのナポリ南部に位置するポンペイ近郊で、メタンガスのパイプライン工事中の作業員が偶然発見したのが、人間や動物が逃げ惑った可能性を示す足跡

ポンペイを埋没させたあの有名なヴェスヴィオ山噴火は、西暦79年に発生。ポンペイやヘルクラネウムが火山灰と軽石の層で埋め尽くされ、犠牲者たちが噴火当時のまま保存されています。

当局はソーシャルメディアの投稿で、足跡は「火山の猛威に直面した住民たちの劇的な逃避行を雄弁に物語る証拠」と説明しています。ただし、火山砕屑堆積物が固まる速さによっては、噴火から数カ月後に足跡が残された可能性もあるらしく、2006年に発表された研究結果によると、足跡は西暦79年の噴火よりも強力だったとされる、紀元前1995年に起こったヴェスヴィオ山のアヴェッリーノ噴火によるものかもしれないそう。

Image: Superintendence of Archaeology, Fine Arts and Landscape of Salerno and Avellino

他にも、この周辺では噴火後の人間社会の痕跡も見つかっているみたい。宗教的な聖地、耕作跡、40本以上の道路…と、発掘調査で見つかったものたちは、元記事で詳しく紹介しています。

詳しくはこちら↓

オランダで骨が張られた床を発見

Image: Municipality of Alkmaar

オランダにあるアルクマールという都市の歴史的な地域で作業していた市の考古学者たちが発見したのは、タイルではなく動物の骨で埋められた古代の床。この珍しい発見は、市当局の声明で明らかにされたもので、これまでに北ホラント州でしか記録されておらず、主に15世紀の床に見られる特徴なのだとか。

発見された骨は、どれも同じサイズにカットされた牛の中手骨や中足骨(いわゆる足の骨)。床がどれほどすり減っていても、骨は縦置きにされ、ギザギザのある端または切断された端が上を向いているという同じパターンが見られたそうです。

興味深いのは、なんで床の隙間を骨で埋めようと思ったのかってこと。「骨の床」の謎はまだ解明されていませんが、続報を待ちたいですね。

詳しくはこちら↓

関連記事: