iPadを超える、厚さ4.8mmの極薄タブレット
もう十分薄いと思っていた、さらにその先があるなんて!
まるで陸上競技の説明みたいですが、中国メーカー「Honor(オナー、栄耀)」が発表した新しいタブレット「HONOR MagicPad 4」が、これまでの記録を塗り替えました。カメラモジュールを除いた本体の厚さ、4.8mm。
Apple史上最薄として驚きを与えてくれたiPad Proの5.1mmよりも薄い、ついに5mmの壁を超えてきました。
重量は約450gで、キーボードケースとスタイラスを合わせても約854g。タブレットをラップトップ代わりに持ち歩くにしても、この軽さはありがたいところ。
値段は割安、でも中身は妥協せず
image: Honorいきなり値段から突っ込んでみます。HONOR UK公式サイトによると、記事執筆時点(3月3日)でのUK価格は、専用コード「AMP4UK100」適用で499.99ポンド(約10万5,000円)から、欧州でも599.90ユーロ(約11万円)での販売が確認できました。
毎年2月末にスペイン・バルセロナで開催される世界最大級のモバイル見本市「MWC(Mobile World Congress)」が今年も開かれ、スマートフォンやタブレットの新製品が一堂に会したこのイベントで「MagicPad 4」は正式にお披露目されました。
会場でハンズオンを試した海外レビュアーのYouTube動画では、「iPadキラー」というキーワードが繰り返し登場したりもしています。
薄さというバトルもあれど、確かにiPad Proの11インチモデルが約17万円から、という設定を考えても相当に意欲的で、割安な水準には感じますものね。
Image:HONOROSはAndroid 16をベースとしたHonorの新OSである「MagicOS 10」、搭載チップはQualcommのSnapdragon 8 Gen 5(3nmプロセス)。RAMは最大16GB、ストレージは最大1TBを選べます。
ディスプレイはゲームにもうってつけの仕様で、12.3インチのOLED、解像度3,000×1,920(299ppi)、リフレッシュレートは165Hzまで。最大輝度2,400nits(HDR時)というスペックもなかなか目を見張るもの。
iPad ProやSamsung Galaxy Tab S11の最大輝度がいずれも1,600nitsであることと比べると、数値上なら1.5倍の明るさ。屋外での視認性という観点ではかなり効いてきそうです。
もちろん実機での本格検証次第ではありますが、「薄くて、軽くて、明るい」という三拍子は、少なくともスペックシートの上では備わっています。
気になるバッテリーは10,100mAhで、66Wの急速充電器が標準同梱。海外レビュアーの実測ではスクリーンオンタイムで11〜12時間を記録しており、フル充電は約1時間以内とのこと。「薄いのに1日持つ」というのは、モバイルワーク用途としては十分な水準でしょう。
「もうひとつのPC」として使えるか
image: Honorキーボードケースを接続すると「PCモード」に切り替わり、これがなかなかスグレモノに感じます。
最大20ウィンドウの同時表示が可能で、バー型のナビゲーションやファイルマネージャーを備えた、デスクトップに近いUIに。さらに「HONOR Connect」アプリを使えばMacBookのセカンドディスプレイとして使えるのも面白いところ。
AndroidタブレットがAppleエコシステムの隙間に滑り込もうとしている……と書くと、ちょっと贔屓目がありますね。共存共栄といいますか、Appleユーザーにとっても使いやすい機能であることは間違いありません。シンプルに細かいタスクやゲームもこなせるサブモニター需要も満たせるというのは結構ウレシイ。
image: Honorとはいえ、ツッコミどころがないわけでもありません。まず、「SIMスロットなし」のWi-Fiモデルのみで展開されていること。テザリング前提なら問題ないですが、単体で持ち出して気軽に使いたい……というニーズにちょっと応えにくいのはマイナスでしょうか。
それから拡張スロットもなし。最大1TBのストレージを選べるとはいえ、拡張性がないのは人によっては痛いかもしれません。
また、パフォーマンス面でも一点、海外レビュワーからの指摘が。Snapdragon 8 Gen 5の実力は相当なものですが、4.8mmという薄さゆえにサーマルスロットリングが発生するようです。負荷の高いゲームを15〜20分続けると背面が温まり、フレームレートが落ちる場面があるとのこと。ゲーミングタブレットとの比較では不利な部分ですね。
加えて、リアカメラの4K動画は10分の録画制限があるようです。もっとも、タブレットで長回し動画を撮る人はほとんどいないので、実用上の問題は限られますが。
手にしているところを見ると、なかなかハラハラしそうな薄さです。image: My Next Tabletいったいわずか数ミリの差がどれほど体験に影響するか、ぜひとも試してみたいところですが……Honorは現在、日本で正式に端末を販売していません。
グローバル版はGoogle Play非対応の場合も多く、購入できたとしても日本語サポートやサービス保証の面で不安が残ります。まずは「動向を見守る」という状況です。
それでも、記録を更新するような新タブレットは市場全体にとってよいプレッシャーになりそうです。
ちなみにCES2026では、最薄部のみですが厚さ3.1mmのタブレットがお披露目されました。厚さ5mmを切るタブレットの存在が「普通」になる日だって、思ったより近いのかもしれません。
Source: Journal du Geek , Honor , FishBee Productions , TechTablets , My Next Tablet